2016年の東京都知事選
東京都知事選挙の公示期間が始まっている。ここ3回の選挙でも候補者に眉を顰める感覚でいたが今回はこれまでの比ではない。私も同じ感想を持っているのだが、これまでここまで選ぶべきひとが居ない都知事選もなかったので困惑しているような意見が散見される。
毎度のことながら候補者についてメモする。ちなみにポスター掲示板をみるとだいたいこんな感じで貼ってあって、曲がりなりにもポスターを貼るだけの組織力を持っているのが7名おられる。
桜井誠さん
最初がこの方か……在日特権を許さない市民の会の方だから外国籍の方への生活保護の廃止、韓国人学校の建設中止、在日韓国人の方が経営していることの多いパチンコへの規制強化、不法滞在者への規制強化などが公約。
鳥越俊太郎さん
野党統一候補……。野党連合がなんでこのひとを選んだのかというと、各党・各ステークホルダーの意見の相違をグレーなまま何となくやり過ごせそうな人だという理由かという気がする。「うまく調整する」ではない。「何となくやり過ごそうとする」、つまり玉虫色に問題を先送りしそうなのだ。
もし副知事に宇都宮健児さんを使うとか打ち出せていれば考えるのだけれど全くそんな気配がない。むしろ宇都宮さんの意見は一部の関係者と根本的に相容れないところがあって排除したい意向が裏で働いているのではないかと推測される。
鳥越さんが言ってることがちょくちょくおかしいとか、体調が万全ではとうていないとかもあるけれど上記が一番問題を孕んでいる。チームとして機能するような体制を取れる目が著しく低いのが今見えているところから推測される状況。
増田寛也さん
元建設省官僚、元岩手県知事、元総務大臣。自民党、公明党、日本のこころを大切にする党が推薦。
山本一郎さんが増田さんが与党推薦候補に選ばれそうだとなったぐらいの早いタイミングで「岩手県知事時代に県の財政赤字を二倍にした人物を候補にするのか」と呆れた感じのことを書かれていたので調べたら、以下の記事がまとまっていた。
ところが退任直後の2007年に「自分は岩手県の財政を立て直した」ってインタビューで答えている記事があったりもする。堀口晴正さんという方がインタビュアーだが一応リンクを並べておく。
【インタビュー】増田寛也(岩手県知事) 県の基礎的財政収支を私はいかにして黒字化したか:堀口晴正 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
これはどちらかが嘘を言っているとかではなく観点が違うのかもしれない。特別会計と一般会計の違い?
山中雅明さん
茨城県古河市の行政書士さん。未来創造経営実践党という政党の党首。実態があるかどうかは分からない。どうやってポスターを貼って回っているのだろう。人を雇ってやっている?
Facebook や Twitter のプロフィール欄に絵文字を使うのはおやめになった方が良い、とだけおもった。
岸本雅吉さん
銀座に開院している歯科医さん。政見放送以外に情報が無い。医療政策について主に言われているから鳥越さんと近しいかもしれない。この方もポスターは、人を雇っておられるのかなぁ。
小池百合子さん 【当選】
実は小池さんについては、権力を求めることに強力なモチベーションを持っている印象がある。遥か昔だけど島田紳助さんが司会をしていたテレビ番組だったろうか、ゲストで出た時に政治に携わっているものとしての目標を聞かれて迷うことなく「政権を取ることだ」と言っていたあたりからその印象は強まることはあっても訂正が入ることがないと感じている。
たとえば日本会議というと国内で最も大きい右派民間団体で、自分は親学というかなりいかがわしい考え方の背後にあるものとして最初認識したので良い印象を持っていないがこの日本会議の設立十周年に小池さんも祝辞的なコメントを寄せている。これは小池さんがかなり極右的な考えの持ち主だというよりは、コメントをする方が彼女が属する党の立場として良かったからではないかとみえる。
また小池さんが表現規制派に属する考え方を持っているという認識があって、それは彼女がかつて青少年健全育成条例で、規制強化を内容とする請願を提出したことからきているという話しがある。以下など調べて分かりやすく書いておられる。
コミケの応援をしているという小池百合子都知事候補がなぜ表現規制派といわれているのか理由を掘り起こしてみた – script life 千夜一夜
これもその時の状況では提出するのが良かったが、今選挙期間においては「私は表現規制派ではない」とアピールしたりする。その辺り彼女のなかでは矛盾はないように扱われているのではないか。
この点においては鳥越さんと小池さんは同じようなものかもしれない。ただ小池さんの方が彼女自身が求心力をもってそれなりのチームを作ることが出来そうではある。
七海ひろこさん
幸福実現党の比例名簿一位だったがこの党は議席を獲得していない。そのまま都知事選に出たと。2012年は幸福実現党はトクマ氏を候補に出していた。2011年と2014年は出していなかった……かな。
その他何名か。
谷山雄二朗さん
2011年に都知事選に立候補していて、2012年は立候補断念をされていたのをチェックしていた。Facebook をみると小規模ながら旺盛に活動されているのは見えた。
マック赤坂さん
この週末、某アノマリーで銀座を自転車で移動中に彼が結構普通に演説していたのがやかましく、珍しくちょっとイラッと来たことを告白しておく。
関口安弘さん
このひと……2011年、2012年、2014年とも立候補していた姫治けんじさんってひとと同一人物なのだろうか。髪型と名前を変えた理由がよく分からない。その他政策についてもほぼ分からないのだけれど。
高橋尚吾さん
元派遣社員。今は自営なのだろうか。ブログと Twitter アカウントあり。
後藤輝樹さん
FCブログで作ったサイトに軍服姿の写真。こういう三十代男性も世には居る。
過去の選挙についてなど
2007年
2016年の参議院議員選挙
参議院議員選挙が7月10日にある。自分としては東京都知事や都議会議員選挙の方に目が向いているのだがざっとメモ程度に書いてみる。
選挙が久しぶりで、参議院議員の選挙区が都道府県単位であることも忘れていた。東京都単位だから候補者情報もあちこちから入手できるだとうとは思いつつも。ちなみに政党についてはあまり触れてない。一部触れざるを得ないけれども。
佐藤かおりさん
パープル・ユニオン執行委員長、
女性と人権全国ネットワーク共同代表、
性暴力禁止法をつくろうネットワーク運営委員、
NPO法人全国女性シェルターネット前事務局長
佐藤かおり公式ホームページ プロフィールより
パープルユニオンはひとりでも地域を問わず加盟できる女性のための労働組合で、それの立ち上げに参画されているようだから多分仕事はできるのだろうとおもう。今回が初めての立候補である模様。
「女性の議員を増やそう」というキャッチフレーズを使われていて、そこは主眼とするところではないのではないかなぁと思うなどするが、まぁキャッチフレーズだから仕方ないのかもしれない。
横粂勝仁さん
民主党を離れる辺りの顛末からあまり評価しなくなっている。
あとポスターの「議員報酬ゼロで働きます」をみて、これは無いなと。議員報酬は正当な対価であって、正当であることを示すことも仕事に含まれているでしょうと。
いや選挙広報読むと、日本において議員報酬は高額過ぎるので下げる必要がある、その先鞭をつけるために自分は議員報酬を寄付などに回す、文通費と秘書の給料が支給されるから活動できる……と書いてあるのは分かるのだが。そこではない感じがする。
→ 落選を受けて政治家としては引退されるとのこと。
政治家よこくめ勝仁最後の御礼とメッセージ|横粂勝仁(弁護士・税理士・元衆議院議員)公式ブログ
鈴木たつおさん
年代でいうと学生運動が激しくなるより少し前から学生運動に関わっていたぐらいだろうか。NHKを労働組合運動で職場秩序を乱したという理由で解雇、そのあとに弁護士に。
ウィキペディアに彼の情報があったようなのだが削除された形跡がある。何があったのだろうか。筋金入りであることだけは伺える。
鈴木まりこさん
該当演説している映像を少しみたのだけれど新入社員のスピーチを聞かされている感があったので途中で止めてしまった。
→ 彼女は参議院議員選挙は日本のこころを大切にする党からの立候補だったが、落選後東京都知事選において小池百合子さんを支援する、党の方針に沿わないのでおそらく除名になるだろうとポストされているのを見た。なんというか、変な嗅覚をお持ちな感じだということは最後に感じた。
蓮舫さん 【当選】
民進党代表代行なんだな、彼女。今頃気がついた。ディベートできるし仕事もできるのだろうなと拝察する。
選挙の争点としては本筋ではないかもしれないが、下記辺りも自分としては評価の対象になっている。
(2010年)5月30日、民主党千代田区支部の主催でプロジェクト・チームの報告会が開かれた。この報告会には、私も参加したが、立ち見が出るほどの聴衆が会場に押し掛け、問題に対する市民の関心の高さがうかがえた。一方、民主党側も民主党東京都連代表代行の海江田万里代議士・児童ポルノ規制法改定問題を民主党で扱う山花郁夫代議士、そして参院選での改選を控えた蓮舫・小川敏夫両参議院議員が報告会に駆け付けるなどこの問題を重視している姿勢をアピールし、改定案に反対し、拙速な児童ポルノ規制法改正もおこなわないことを聴衆に約束した。
竹谷とし子さん 【当選】
選挙広報の実績欄を読んでちょっとふうん、と思った。
・借金でまかなっていた特別会計の積立金減額を主張し、 700億円超の利払い費削減につなげました。
・全自治体に民間企業並みの透明性の高い会計制度を導入する改革を実現しました。
・新事業に挑戦する中小企業への補助金の拡充を進めました。
・地熱やバイオマス発電など新しいエネルギーの導入を推進しました。
・痛税感をやわらげるため、消費税の軽減税率が導入されます。
・高額療養費制度を拡充し、中低所得者の負担を軽減しました。
参議院議員 公認会計士 竹谷とし子 政策・実績のページより
特別会計の積立金っていうと年金の運用なんかも含むところ。つまり通常会計とは別立ての部分。ちなみに年金の運用損だけで2015年5兆円以上になるそうなので多少なりとも戻すのに功績があったということになるだろうか。
山添拓さん 【当選】
ごめんね、なるべくひとを見ようとおもっているのだけれど、どうしても共産党は画一化され過ぎている印象で、書くべきことがみつからない。
田中康夫さん
長野県知事としての実績を出しているわりに公約がそれと結びついていない。そのために書くべきことがみつからない。
小林興起さん
減税日本におられたのかこの方。そのあと日本未来の党にもおられた。うーん、人をみる目があまりよくない方なのだろうか。
高樹沙耶さん
スルー。
中川雅治さん 【当選】
中川氏に関しては下記の件を知っているぐらいで十分かとおもっている。
増山麗奈さん
志葉玲さんの奥様なのか……それはさておき。
アーティストが議員の仕事を出来るのでだろうか……と問うてみると、人によってはできるのだろうというのが答えな気がする。彼女は多分できる部類のひとではないかと感じる。おそらく役人には嫌がらせされそうだがそれを押し返す程度のタフネスはお持ちなのではないだろうか。
私が「プルトニウム米を食べろ」と発言したようなニュアンスで拡散されましたが、プルトニウム食品含有の合法化をうけて、政府役人が国民に対して『「プルトニウムを入った食品を食べろ」と考えているのでは?』と想像して書いたもの。参考→https://t.co/R9UeY3Qi8S
— 増山れな@社民党 (@renaart) January 2, 2016
小川敏夫さん 【当選】
民主党政権時代に法務大臣を担当していた経験があり、蓮舫さんの項で触れた表現規制について小川さんも同様に慎重であるべきとの態度を継続して表明されている。ヘイトスピーチ規制法案を提出した超党派の議員連盟も彼が会長を務める。
鈴木けんぽうは東京では真面目で不器用で法のプロだけど知名度ない(T-T) 小川敏夫候補を応援してます。
— 鈴木けんぽう(渋谷区議会議員) (@kenpo_shibuya) 2016年6月23日
こういう地味でも力量のある人こそ良識の府・参議院には必要だと思うのです!
議員立法もバリバリやってるしね。それが本来の仕事!https://t.co/u79Tf0BMeo
三宅洋平さん
本筋ではないけれど彼の演説は一種のライブパフォーマンスなんだろうとおもう。
増山さんと近い位置になるような印象。実際に仕事ができるかという点で増山さんより未知数に感じる。
トクマさん
ここらへんを読んでおけばよいかと。
やや日刊カルト新聞: 【都知事選】トクマ街宣はまるで宗教勧誘、取材妨害も!
鈴木信行さん
韓国から入国禁止処分が出ているとのこと。なんどか立候補しているらしい。けど私は存じ上げない。国外の方の方がよくご存知の模様。
浜田和幸さん
現職だが自由民主党から出て当選、その後民主党に引き抜かれ、次世代の党に行き、維新の会に行き、参議院本会議を欠席にして維新の会の会合に出席したことを咎められて公認取り消しと迷走されている。はたからみると面白いし仕事ができないわけではないのだろうが、ちょっとなぁ。
朝日健太郎さん 【当選】
元バレーボル日本代表。
参議院議員にスポーツ振興押しだけの人はどんなものだろうか。
唯一神又吉イエス
選挙広報で彼の箇所を読んで、一部まともなことが書いてあるのを知ると逆にちょっと不安を覚える。
支持政党なしについては、大田区のある区議さんを思い出した。無所属なのだけれど要は区長にべったりな感じだと聞いて(そんな生き方もあるんだな)とおもったことがあって。
候補者一覧は報道機関から出ているものもあるが結局下記ポストが一番みやすかった。感謝。
加筆履歴
2016/7/3 選挙広報を読んで若干追記
2016/7/13 選挙結果と、選挙後の動きを追記
環七通り沿いの木造家屋
南馬込の環七通り沿い、山王と向かい合った辺りは谷中という旧町名で環七が通る前は割と賑やかな商店街だったときいている。オリンピックを前に環七通りがつくられ都市整備が進められて今に至るので環七通り沿いはビルやマンション、新しい店舗が並ぶようになっているがそのなかに取り残されたような木造家屋が残っていたりする。そのなかでもとびきりだったのが南馬込文化センターの隣にある大倉山公園から出てきたところにあった家だ。残念ながら写真を残していないので Google Street View からスナップショットをお借りして貼らせていただく。
おそらく住んではいらっしゃらなかったとおもう。ところどころ傾いていてよく東日本大震災のときに崩れ落ちなかったものだと感心する。震災では崩れなかったが税金には耐えられなかったとみえて今年2016年に入ってあっさり更地にされてしまった。下の写真は気がついた2月21日に撮ったものだが。庭の樹もばっさり伐られてしまっている。
おそらくは環七通り開通直後より建っていて、もしかするとそれ以前の昭和三十年代からあったかもしれないとおもう。
他にも環七通り沿いには時々こういう家がある。下の写真はやはり環七沿い、上の木造家屋より馬込銀座よりだたまだお住まいかもしれないとおもうがかなり古そう。また環七通りをはさんで反対の山王側にもなんで残っているんだろうとおもうようなコンクリート製の長屋が残っていたりする。この辺りもたまにテレビドラマのロケがったりするのだが古い趣の建物が残っているのをセットとして使うためでもあるらしい。
余談だが東日本大震災の時にだめになった場所が環七通り沿い、馬込銀座にあった。第一京浜浴場という銭湯がそれだ。震災の時に煙突がぽきりと折れて倒れてしまったのだが丁度銭湯の建物自身の上に倒れたため周囲に被害は出ず、銭湯内にもひとが居なかったためけが人も出なかった。ただ再建するだけの余力はなく廃業されてしまった。第一京浜浴場のあとは駐車場になっている。
馬込の失われた建物たちシリーズ
馬込の失われた建物たち地図
抑え技の受けの足の形・再
以前に抑えられた時の、足をどう置くかということについて本部道場ではちゃんと決めているという話しを書いたことがあった。爪先を下、踵が上を向くように足を立てる形を指導されているという話を受けて足を立てるのが良いか寝かせるのが良いか、考えて書いたものだった。
その後足を立てる受け身を試してみていたのだが、五月の末の稽古の最中に(これは今後は寝かせる形で稽古しよう)と密かに決めた。
理由は単純で、右足の親指の古傷にどうしても負担となるから。
これもまた以前に書いたことだが大学生の頃から親指の付け根あたりを痛めては治り、痛めてはおさまりを繰り返している。最近も稽古で痛めては帰って冷やす……ということを繰り返していた。痛みが出た時に一教から四教を稽古してみると、足を立てる形の受け身は自然と足の指で畳を捉えておこうとしてしまうのでより痛みがひどくなってしまう。
そういえば齋藤守弘師範は翁先生の技をそのまま稽古する、ということについて矜持を持たれていた方だったので座法の稽古をするとき「本来は膝を動かすのだが、私は膝を痛めて思うように動かないため上半身だけで稽古する。どうかご容赦いただきたい」ということを必ず言われていたのを思い出す。齋藤先生の膝と自分の足を同列に扱うには稽古が足りなさ過ぎるけれどもなんとなくこの受け身の形については許してもらえそうな気がしている。
荏原町のトルコレストラン DEDE
以前北馬込にケバブサンドを出すお店があった。バス通り沿いに「ドアル」というトルコの商品を扱う小さい店があったのだがその向かいのさわやか信用金庫の支店の横をちょっと入ったところ。妻が一度行ったことがあって、どちらもトルコのものだからドアルと関係があるのか聞いたら「友達です」という答えだったらしい。店の雰囲気がそんなに明るくなかったのでその後は行かなかった。
それが昨年日光陶器さんが店を閉められたあとに店ができているなーと思っていたらケバブ屋さんが移ってくることとなった。デデ、というのがお店の名前。
ケバブサンドが売りなのは変わらないが、お弁当もあったり、店内で食べられるようになっていたりしているらしい。商店街のなかということもあって今度は店も明るい感じになっている。荏原町で食事をしていくということがあまりないので前を通るばかりだったが連休の最中に一日自由時間をもらった際の昼食をデデでケバブサンドとビール、と決めてみた。
ケバブは牛肉と鶏肉があるのだが牛肉をいただいた。EFES はメニューには「エフエス」と書いてあったが私は「エフェス」と読むものと思っていた。冒頭に出てきたドアルでも買ったことがある、トルコではメジャーなビールらしい。割りと飲みやすい。結構なボリュームがあるので自分みたいな不器用な人間は店内でいただいておいた方がよいのだろうが、天気が良いならテイクアウトでも良いかもしれない。酒のこむろか伊豆屋酒店さんでビールを買って立会川緑道のベンチで……とか。立会川は暗渠で下を流れていて、場合によっては匂いを感じるのが食事の場所にそぐわないところなのだけれど。
食後にはチャイがついた。小さいガラスカップにいっぱいに入っていて、カップが暑くて持てなくて、最初は下のお皿ごと持ち上げて飲んだがお作法が正しかったかどうかは分からない。美味しくいただけたので自分としてはまぁ、良い連休の一日だった。
冒頭で書いた北馬込の「ドアル」という店の方のことだが、つい先日閉めてしまった。楽天のネット通販サービスは変わらずやっているしアマゾンにも出されているので商売は続けるが実店舗は閉めるという判断となったのだろうか。隣はかつて三河屋米菓店という煎餅やさんだったがこちらも2014年に罷めてしまわれリフォーム業者さんが入っておられたのだがドアルも同じリフォーム会社の事務所となった。
かつてはドアルでチーズを良く買っていた。塩気の強い、ちょっと火を通して食べるとおつまみに良いチーズと、割けるチーズとがあり、割けるのは国産の大手メーカーの商品より美味しく子供達も好んで食べていた。それが2014年後半から円安が進んでしまい足が遠のいてしまって今に至っていたので、店がなくなっても何も言えない。楽天の会社概要に掲載されている住所は同じ北馬込でもちょっと離れた、夫婦坂の場所になっているが特に店は見当たらないので事務所か倉庫なのかもしれない。
デデの場所にあった日光陶器さん閉店時のお話しはこちら
ドアルの隣にあった北馬込の河内屋米菓さん閉店時のお話しはこちら
小平市民総合体育館の道場
5月7日に大阪市立大学合気道部OB会の関東での稽古会をやってきた。普段公式に案内を掲示したりするのだが今回はできていない。連休中で参加者が少ないだろうと思われるので迷っている間に時間が経ってしまった。そもそも自分も参加できるかと思っていたがうまい具合に時間が取れたので参加してきた。
関東OB研鑽会はこれまで足立区綾瀬の東京武道館で行ってきたのだが、今回初めて小平市民総合体育館で行った。先輩が近くに住んでおられることから調べていただき、団体登録が通って初めて道場が予約できたのだ。
最初に稽古ができそうな場所を調べた時にもわかっていたことなのだが、都内23区や各市の施設で立派な道場を備えている体育館などの施設は結構ある。ただ住人が団体登録をして予約しないといけないという制限がどこにもある。しかも地元の道場が曜日を決めて使用されていたりするので競争があったりする。それでも今後は東京武道館だけでなく小平市民総合体育館も、予約が取れれば使えることとなった。
ここの道場も設備は良い。畳が常設の道場があり割と柔らかめの畳だ。
小平市総合体育館は西武国分寺線鷹の台駅のすぐそばにある。国分寺駅まで中央線で行って乗り換える。一橋大学の小平国際キャンパスに行くときとは反対、東村山方面行きに乗っていく。
西東京の武蔵野の、わりと郊外の駅だぐらいに思って鷹の台駅におりた。実際わりと緑が多い環境に駅はあるのだが、どうも駅が華やかだ。駅の建物が、ではなくて雰囲気。若い女の子がやたらと多く駅にいる。津田塾大学小平キャンパスの最寄駅だ、ということを初めて知った。
駅を出て右に行くと、線路をはさんで改札と反対側に抜ける地下道があってそれを通って小平中央公園へ。グラウンドの向こうに総合体育館がある。
11時20分から二時間ほど稽古した。第四体育室が畳を常設した、最初の写真の体育館になる。爽やかな気候で動くと暑いぐらいだったが三基の扇風機が備え付けられていてそれで十分な感じだった。真夏だとさすがに暑いだろうが、窓を開けるとちょうどよい感じだった。
なお利用状況をみると前後も2時間づつ、予約されていた。我々の前が鷹の台合気道同友会、あとが楽心館という道場。この楽心館、私としては大東流合気柔術の道場でらっしゃると思うのだが、また稿を分けて別に書くか考えることにする。
お昼過ぎに稽古を終えて、あとは先輩のお宅にお邪魔させていただきお昼をご馳走になってしまった。
体育館は我々以外にも剣道や弓道らしき方々もおられた。体育室だけで五室、他に弓道場も備えている。下の写真のようなレーニングルームも開放されていたし、写真の左、玄関入って左にはチャイルド・ルームもあった。
伊達たばこ店
馬込南台の荏原町方面行きの方のバス停は交番のすぐ隣にある。その斜向かいに伊達たばこ店があった。2005年に我が家が馬込にやってきた時点ですでに「たばこ店」ではなく、テントの「たばこ店」の文字を塗りつぶしてあった。角地の狭い場所に建っているしもた屋に過ぎなかった。
改めて写真を探してみたがほぼ残っていなくて一枚だけちょっと映っているものがあった。馬込南台の、大森駅方面行きのバス停の方から撮った写真で、右奥の方、背中が映っている方の向こうに見える黄色いテントが伊達たばこ店。左奥の赤いランプが交番で、その向こうがよしかねという非チェーンコンビニのいわゆるコミュニティストア。
昨年2015年の11月後半に突然取り壊されてしまった。以前からお住まいではなく固定資産税の法改正の影響が大きかったのかもしれない。バス通りのこの馬込南台バス停辺りは商店街の名残があって上の写真にうつっているよしかね以外にも店が比較的集まっている。やっちゃん豆腐こと谷澤豆腐店や青果の神田屋は萬福寺の側に居をかまえていた室生犀星の日記にその名前が出てくる。馬込整体センターは商売替えの前は文具店だった。セブンイレブンはよろずやというのが元の屋号の店。ブルーパロットというレストラン、福好精肉店、鮮魚の魚孝。インド・ネパール料理のアンナプルナは我が家が馬込に来た時にはまだ蕎麦屋の松登久だったと記憶している。先日書いたパティスリー稲垣もこの並びだ。
大田区郷土資料館にはバス通りにかつてどんな店が出ていたのかを記録した地図がある。それを見ると馬込南台バス停付近に限らず、もっと店は多かったことが分かる。その時代に店を出していた記憶があれば持ち主としては手放し難かったのかもしれない。
12月に入った頃には更地になってしまっていた。半年近く経ってまだ更地のままだ。何を建てるにしても狭い土地で、かつ人通りもそんなに多くはない住宅街のなかという立地になってしまっているので買い手はなかなかつかないかもしれない。大田区が買い取ったとして、これぐらいの狭い公園もたまに目にするのだがどうだろうか。
馬込の失われた建物たちシリーズ
馬込の失われた建物たち地図