伊達たばこ店

 馬込南台の荏原町方面行きの方のバス停は交番のすぐ隣にある。その斜向かいに伊達たばこ店があった。2005年に我が家が馬込にやってきた時点ですでに「たばこ店」ではなく、テントの「たばこ店」の文字を塗りつぶしてあった。角地の狭い場所に建っているしもた屋に過ぎなかった。

 

 

  改めて写真を探してみたがほぼ残っていなくて一枚だけちょっと映っているものがあった。馬込南台の、大森駅方面行きのバス停の方から撮った写真で、右奥の方、背中が映っている方の向こうに見える黄色いテントが伊達たばこ店。左奥の赤いランプが交番で、その向こうがよしかねという非チェーンコンビニのいわゆるコミュニティストア。

 

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 昨年2015年の11月後半に突然取り壊されてしまった。以前からお住まいではなく固定資産税の法改正の影響が大きかったのかもしれない。バス通りのこの馬込南台バス停辺りは商店街の名残があって上の写真にうつっているよしかね以外にも店が比較的集まっている。やっちゃん豆腐こと谷澤豆腐店や青果の神田屋は萬福寺の側に居をかまえていた室生犀星の日記にその名前が出てくる。馬込整体センターは商売替えの前は文具店だった。セブンイレブンよろずやというのが元の屋号の店。ブルーパロットというレストラン、福好精肉店、鮮魚の魚孝。インド・ネパール料理のアンナプルナは我が家が馬込に来た時にはまだ蕎麦屋の松登久だったと記憶している。先日書いたパティスリー稲垣もこの並びだ。

 

 大田区郷土資料館にはバス通りにかつてどんな店が出ていたのかを記録した地図がある。それを見ると馬込南台バス停付近に限らず、もっと店は多かったことが分かる。その時代に店を出していた記憶があれば持ち主としては手放し難かったのかもしれない。

 

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 12月に入った頃には更地になってしまっていた。半年近く経ってまだ更地のままだ。何を建てるにしても狭い土地で、かつ人通りもそんなに多くはない住宅街のなかという立地になってしまっているので買い手はなかなかつかないかもしれない。大田区が買い取ったとして、これぐらいの狭い公園もたまに目にするのだがどうだろうか。

 

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馬込の失われた建物たちシリーズ

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