郷里が目指すジオパーク

 これも連休に実家に帰った時のことだが「須佐遊覧船」なるもののパンフレットが貼ってあった。連休中には父親もガイドを担当するため乗船する日があると行っていた。「ジオクルージング」という新しいワードが出ているがジオパーク認定を目指して萩市が動いているらしい。ジオパークについては隠岐島が認定された時にそういうものがあるのだということを知ったが、確かに実家のある須佐もジオパークの一部足り得る。旧阿武郡須佐町は地質方面の天然記念物が二点あるからだ。北長門国定公園の一部でもあるし。

 

f:id:mukunokiy0725:20170501083951j:plain

 

 天然記念物のひとつはホルンフェルス大断崖で、砂岩と泥岩からなる地層が高温の斑れい岩マグマに接して変成したものが海岸侵食で露出したもの……という説明になるのだろうか。社会の教科書に載っていたりするらしい。写真で示した方が早いだろうか。数年前に家族で帰郷した時の写真だ。

 

f:id:mukunokiy0725:20140812150538j:plain

 

  ここは須佐駅周辺の、人家が集まっている辺りから結構離れていてざっくり 5km 近くある。私はまだ小学生だった時に夏休みでひとりで帰郷していた時ふとひとりで行ってみたくなったことがあり、祖父母に何も言わずに歩いて行って帰ってきた思い出がある。祖父母に言えば車を出してくれただろうが、折角夏休みでもあり冒険をしてみたくなったのだろう。その日も上記の写真のようないい天気だった記憶がある。幸いにも危ない目にも遭わずこの崖の上を下をみて回って帰った。崖の下の潮が差しているところに夥しい数のイソギンチャクが群生していたのが印象に残っていて、後年行ったらまったく見当たらなくてあれは何だったんだろうと今でも思ったりする。帰宅して祖父母にどこに行ってきたかを話したら当然驚かれた。往復 10km 歩いて行ってきたということだから馬鹿じゃのう、という感じだったろう。

 

 もうひとつの天然記念物は高山の磁石石。高山は「こうやま」と訓み須佐の育英小学校などは遠足で登る山である。この山の班れい岩は何故か磁力を持っていてこれを磁石石と呼んでいる。昔からあるものなのでその価値を忘れがちだったがよくよく考えればいつブラタモリのロケに来てもらっても大丈夫な程度には見るところはある。

 

 最近 Google Map を眺めると子供の頃海に泳ぎに連れて行ってもらった「まてかた」という海岸があるのだがキャンプ場が二箇所もできている。キャンプ場で客を呼ぶのが先かジオパーク認定の動きが先かわからないが観光産業的には正しい方向性だろうとおもう。学術面でも先日書いた萩博物館や明倫学舎を核とした組織があることが後ろ盾となる。

 

 遊覧船だが結構乗船客には来ていただいているらしい。現状広島方面からの団体客の方々が多いと聞いた。当面西日本の団体客に来ていただいて、いずれしまなみ海道をサイクリストが目指すようにひとが来るようになると良いのだけれど。