「ごめん」

国際合気道有段者証を忘れたけど入れました

「第11回 国際合気道大会」の稽古のうち、最後のパートに参加をしてきた。国際合気道大会は会議と講習会の両方が行われるそうなのだが、ここでいうのは講習会及び演武大会のこと。先月の9月9月18日(火)から23日(日)を会期として代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターの、スポーツ棟にて開催にて開催されていたのだが、私は22日(土)の最後の稽古の午後のパートに参加してきた。最後のパートは横田愛明師範と植芝守央道主の指導による稽古。

 東京にて開催であり、最終日でもあったのでやはり近隣の道場からの参加が多かった。海外の方とみえても実際は東京在住でおられる方もおられたのかもしれないが、普段を思えばいろいろな言葉を使われる方々の参加された稽古であったとおもう。

 実際、向こうもよく分かっておられ逆に助けて頂くような場面もある一方、説明したいんだけれどうまく英語なりの説明が出てこずもどかしい思いを自分に対してする場面もあった。こういう時こそ英語をより身に付けるモチベーションを得る良い機会である訳だが、そもそもそういう場面に出会う前に用意しておけよ、という事かとおもった。

 植芝守央道主の稽古はとにかく基本の動きから技が成り立っている、ということを徹頭徹尾説明する稽古だった。入り身、転換。また、説明には必ず英語通訳を入れるのだが、道主は予め全ての説明を原稿に起こして通訳者と練習してのではないかと私にはみえた。時々通訳の方の話す順番のところに続けて説明しようとしてしまい、「ごめん」と謝られている場面が何度かあった。

 あと、入り身投げだったかで受けの方が背中から落ちた時があった。ご経験のあるかたはわかるとおもうが地面と背中が水平な感じでどん!と落ちると痛いわ呼吸が苦しいわ、となる。道主はこの時も受けの方に「ごめん」と声をかけておられた。

 私はそれをみながら昨年亡くなられた阿部醒石師範の稽古の時の口癖を思い出していた。

「あ、ごめん」

 阿部醒石先生は持たせたところからの呼吸技の稽古が多かった。相手の力をもらって、一瞬で返す。諸手持ちや両手持ち、後ろ両手取りなどもそうだが、受け身を取る方は両手が塞がっていることになるのですっと下に落とされると顔から畳に落ちそうになることがある。受けを取っている弟子が顔から落ちた、という時にその弟子の顔をみながら「あ、ごめん」と仰ることがよくあった。

 ちゃんと受け身を取ったうえで「大丈夫です」とお応えするのが弟子の矜持のようなところがあった。そんなことをおもいつつ、大人数で汗だくの稽古を終えて帰っていった。