子供と読書
昨年末に私が博多に住んでいた少年時代に福岡警固教会でお世話になった、岸本和世さんとメールでやりとりできるようになった。岸本先生は当時警固教会の牧師をされていて、当時椋家は牧師先生宅の向かいの社宅に住んでいた。私と3つ下の妹は毎週子供の日曜礼拝に通っていた。
やりとりのきっかけは岸本さんが翻訳に携われた『爆撃』という本を買って編集部経由でお手紙を書いたことにあるのだが、この本についてはまた書こうと思うのだが、ここでは子供時代の話を。
福岡警固教会は通常の礼拝堂とは別に子供の礼拝堂があり、子供の礼拝堂の後ろには本棚があって図書館として本を借りる事もできた。私は毎週本を借りて帰って読んでいて、憶えている限り3架あった本棚の本は博多で暮らしていた3年間に全て読んだ。岸本先生の奥様も私の名前を聞いて「あの本が好きだった子」と思いだして下さったそうだ。
といってその時期に読んだ本の内容は大概忘れてしまっているが、それでもに宮沢賢治の全集を読み、椋鳩十の全集を読んだ。ベラスケスの画集を読んで(まるで写真のようだ)と感動したり宮沢賢治の作品の落字(彼の作品には生前に刊行されていないものも多いので1字2字、□になっているところがある)を読んで何を彼か書こうとしていたのか想像したりしていた。忘れずに頭に残った本たちが、自分の考えの基礎の何処かをつくってくれているのだろうといつも思う。
自分の経験から自分の子供達も本を読んでくれるといいとおもっていて、ごく幼い頃から子ども達が寝る時には本を読んできた。最近はクイズの本だのマンガだのを読んでくれと言われてがっかりすることもあるが、それでもまだ読んでいる。
何歳ぐらいになったら自分で本を読むようになるんだろうと思っていたが、私が博多に行ったのと同じ小学3年生になった長男がある本を読むと言い出した。
- 作者: 東川篤哉
- 出版社/メーカー: 小学館
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ご存知テレビでドラマ化されている『謎解きはディナーのあとで』。テレビを見ていて原作も読んでみたいとおもったらしい。
この際きっかけは何でも良いのではないだろうか。家内が買ってやったところ、分からない字もあるからゆっくりだが、少しづつ読んでいる。
圧倒的にコロコロコミックスを読んでいる時間の方が長いことも事実なのだが、気長に見守ろうかと思っている。
1年くらい前から書店の店頭で平積みされているのを見ていたから面白いのだろうかと思っていたが、長男が読み終わったくらいに借りることにしよう。