△○□
先月だったか、大田区合気道会の稽古の直前に師範代の先生に「椋さん、さんかくまるしかく、って習ったりされませんでしたか? 田中万川先生がご存知だった、という話しを聞いたのですが」というようなことをお尋ね頂いたことがあった。
大阪合気会を興された田中万川先生は私が大学二回生の時に亡くなられている。私の元々の師範道場である天之武産塾合気道道場と大阪合気会の道場とはどちらもJR吹田駅前にあり近いのだが、実は私は大阪合気会では一度も稽古させて頂いたことが無い。
△(三角)○(まる)□(しかく)、という話は『武産合気』でも植芝盛平翁先生の口述の中に出てくる。稽古後改めて『武産合気』や『古事記』を読み返したりしていた。
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『武産合気』においては上記のことばは言霊の説明の文脈の中で「こういうことだ」と語られているが、私が尋ねられたのはそのような概念的なことではなく、具体的な体捌きの技法として田中万川先生などは翁先生から教えを受けていたようだ、ということで興味深い話だった。
あとからいろいろ思い出したのだが、大阪市立大学合気道部のN先輩が乱取りの際の動きとして「三角に動くんだ」と言われていたのを思い出した。相手が2人以上いる場合に下がったりまっすぐ相手に向かって行ってはすぐにぶつかってしまうので、相手と自分とを底辺にした第三点に一歩動け、というものだった。この考えを先輩がどこかで聞いて教えて下さったのか、ご自分で考えられたものなのかは確認していない。今伺ったとしても覚えておられるかどうか。
あと、横面打ちに対して前に出て抑える捌きの場合(そこから入り身投げや四方投げに入る)、相手に対して三角になるように……という説明をどこかで聞いた記憶があるが、これもちょっと違うかもしれない。
上記話しには三角しか登場しないので、△○□と説明されるような捌きの理合いがあるようなら体系だてて聞いてみたい気がする。その日の稽古では、師範代がご存知の範囲のことは教えて頂いた。△○□が内接するようなところで動く、という理合である。