『猫間川をさがせ』のスマートフォン向け書籍刊行にあたって
2011年10月14日、来週の金曜日に有限会社眺(TIAO)の野知潤一さん、渡邉浩正さんのご尽力で拙著『猫間川をさがせ』を改めてスマートフォン、タブレット、読書専用端末、PC向け書籍として発刊頂くこととなった。
『猫間川をさがせ』は以前PC向けドットブック形式で刊行したことがあり、このサイトにもリンクしてある。2008年初頭頃の発刊にあたって知っている様々な方にメールでご連絡をとり、献本をしている。献本とはいってもデータなので、メールでご連絡をとり添付送付して、ということをした。100名の方に献本できたらすごいだろうと思っていたが、いま改めて当時とっていた記録をみると22名の方にとどまっている。
中にはせっかく見ようとしてくださっているのに開けない、という方もおられて T-Time のインストール手順を作ってお渡ししたり、いろいろなことを試した。iPhone3G は世に出ていたがまだ携帯端末といえばノートPCか所謂ガラパゴス携帯電話が一般的。春秋の筆法な表現だが、わずか数年でアップル社がネット端末を中心とした文化を塗り替えてしまったことに気がつく。
自分が iPhone を使うようになって改めて思うのは、文章だけでなく写真集や画集なども含めた書籍作品について、全文検索だけではなく様々なタグを付加することでその作品にひとが出逢うみちが格段に広がるのではないかということ。それはアマゾンなブログ記事などですでに実用化されているものではあるけれど、携帯するという観点で言うとジオタグや近くにいる人が読んでいる本……というようなタグ付けも可能になる。
私は書籍の電子データ化で現実の紙による書籍が無くなるなどとはこれっぽっちも思っておらず、起こることはより多くの文章作品がより多くの人に届き、より多くの人生に影響を与えるようになる未来を考える。その場面に自分は当事者として立ち会っているのだと思っている。
これからしばらく自著についてしばしば宣伝めいたことを書くだろうが、新しい読書文化の立ち上げ時期に七転八倒しているのだとおもって見逃して頂きたいと思っている。そしてできれば、周りに集まって来て頂けませんか。