スチール本棚

 東京に引っ越してきたとき、本棚が古くなっていたので破棄した。部屋も少しだけだが狭くなっていて本棚を新たに置くスペースもなく、本は箱に入れたまま仕舞いこんで、見たくなった時だけ引っ張りだしたり、見直して要らないものをブックオフに持っていったりしていた。

 ここへきて家内が部屋の模様替えを始めた。次男も幼稚園に通うようになり時間が出来たこと、来た時の状況(次男はまだよちよちの1歳)とは変わってきたことなどあり、物置になっていたスチールラックのうち1体を本棚にしてくれた。本来私がすればいいようなことだが、私がやると本を読み出して進まないということもあり、「いいのよ、うちにはおとこ手がいないんだから」と悪口を叩かれながら私は本を出して要らないものを抜き出す作業だけをした。

 スチールラックが重心が高いようで、地震があったら間違いなく倒れそうだが、とりあえずまとめてくれた。私には「普段から見れるんだから、読まない本は捨てていってよ」というプレッシャーつきの贈り物である。