新銀行東京の赤字

 思えば前の都知事選挙が1年くらい前だが、ここに来て「新銀行東京」の設立に東京都が出資した1000億円を超える額が回収不能の状態となっていることが公表され、400億円の追加融資が組まれた予算が都議会で議論されている。見た目派手な言い合いをテレビニュースが報じているのを見た。

 気の早い話で、石原都知事が辞任して再度選挙となったら誰が出るのだろうか、という話が出ていて、実は「新銀行東京」が問題になっているということを、次の都知事候補者のゴシップから知った。

新銀行東京」については昨年の選挙の時点で問題になっていて、石原氏は現在言っているような「今更止めることなんぞ出来はしない」ぐらいのことは言っていたのかもしれないが、マニフェストに記載していなかった。他の候補者は売却を視野に入れるなどしていた。

→「都知事選のマニフェストチェック(2)と期日前投票

 1年前から東京都が不適切な税金の使用を見逃していたのは分かっていたはずで、今更ながらマスメディアはやる気がないのに感心する。1年前、下記の文章を書いた時点で「450億円赤字」だから倍になった訳で、隠していたのだったら一緒だが、もっと前に対処する機会があったのに残念ながら東京都民はその機会を逸した。先の都知事選の投票率が54.35%とやっと半数を超えたくらいだったそうだが、有権者数の規模が違う東京都のこと、もう15%増えていたら結果は違ったかもしれないのに。

→「都知事選のニュースで深読みにはまる

 テレビで流していた都議会予算委員会の論戦は面白そうなところだけだったが、「東京都ほど大きな組織の中で、銀行設立なんか私一人で決めれる訳がない」と石原都知事は話し、自分にも責任はあると言いながら、前経営陣がやった、そこまでは見抜けなかった、と主張しているように見えた。

 石原慎太郎に投票するひとには、迷いながら結局彼のリーダーシップの強さで票を投じたひとが居るように感じている。それが失敗について自分のリーダーシップを引っ込めてしまう。責任を取ろうにも、海外出張で必要以上の費用を工費で落とすということを繰り返していた人物だから、出来ないか。



※投票率ついては下記を参照。
 東京都選挙管理委員会 | 選挙結果&データ | 各種選挙における投票率

石原都知事の海外出張は日本共産党が問題提起して一部メディアでも報じられた
 石原東京都知事 税金使った“海外旅行”/豪遊 1回平均2000万円/ホテル代 規定の数倍 他府県と比べ飛びぬけ高額