山口へ

 朝6時47分、携帯電話が鳴って起きた。父親からで、祖母の容態がよろしくないという。

 祖母はパーキンソン病のため転倒が多くなり、冬にはノロウィルスが疑われる激しい下痢をするなど、介護している父親の負担が大きく心配していたが、介護施設に1ヶ月単位で見て頂くことができるようになり、一時(父親のために)ほっとした。

 ところが介護施設で再び転倒し骨折、手術を受けたあとは衰弱が著しいと聞いていた。東京に居る私は来週、お盆でやっと山口に帰る予定で、やっと見舞いに行けるかぐらいに思っていたところだった。

 そして7時52分に再度電話があり、7時半より前に息を引き取ったということだった。

 子供の頃にはだいぶ可愛がってもらった訳だが、ここ数年独尊的な性格から持て余しているところもあり(年寄りにはありがちなことなのだろうが)、感慨に浸るよりさてどうしよう、という現実的なところが先に立った。家内に相談のうえ、まず仕事場に出て、調整をつけたうえで忌引を取ることにした。

 昼過ぎに大森駅まで戻ってきて、まず日曜日に取っていた指定券に変更をかける(普通の指定でも1回は手数料無料で変更が出来る。JRのクレジットカードを作っていると何度でも変更がきくらしいが)。翌朝は並んだ席で指定が取れないということで、当日の17時58分品川発を取った。新山口に着いたら22時半近くになるが、家内のお姉さん一家宅に泊めてもらうことが出来た。

 大森駅前の「甘公園」でお供えの菓子を買い、「アトレ」で夕食を買ってのぞみに乗り込んだ。子供たちは膝の上だが、そろそろ家族4人はきついことを再確認した。夜に長時間の移動だから、子供たちはきつかったろうと思う。

 この時期山口市内は七夕のちょうちん祭りで、道場門前の商店街内に母親の実家があった私は懐かしく思うが、足を向ける暇もない。