連休の忘れ物

 梅雨入りしたはずだが、梅雨どこへ行ったのだろうか、というような上天気が2日続いている。うちは長男が水疱瘡で、次男もうつっているはずだから家内が幼稚園のバザーへ出かけるくらいだ。私は家に居て、近所に車で買い物に行き、子供と自動車の中で待っておく時だけ外に出る。水疱は出尽くして、治るばかりなので子供は外に出たがる。せめてものレクレーションである。

 あとは家で読書だの書き物だのである。大型連休の時に鎌倉へ家族で遊びに行く前、勉強しようとして間に合わなかった司馬遼太郎さんの『街道をゆく42 三浦半島記』をやっと一通り読んだ。「街道をゆく」のシリーズは何度も読み返してしまうので、当分楽しませてもらう。これを読んで、地図をしばらくにらんでからだったら、鎌倉小旅行はちょっと違ったものだったかもしれないが、結局子供たち優先だったろうとおもう。

 鎌倉幕府と、幕末の黒船来航と、海軍とを、行き来しながら綿密に事歴を引きながら書いている。

 小栗上野介に馬上から明るい声で呼びかけられた栗本鋤雲の思い出を引いて、歴史上の人物を身近にも見られるかもしれない性格にまで引き寄せる、そういう書き方にいつも惹きつけられる。

 鎌倉幕府が脆弱で、すぐに北条に実質のっとられてしまい、その北条も人物が居なくなると後醍醐天皇や足利、新田に足をすくわれる、そんな有様を高校の日本史だかで学んだ気がするが、何故そうだったのかということが不思議だったことを思い出した。坂本龍馬夫人といわれるおりょうさんの墓が横須賀にあることに言及されているが、その墓所や住み込みで旅館で働いていたということについてのレポートを先日まで、大田ケーブルネットワークで繰り返し流していたのを思い出した。

街道をゆく (42) (朝日文庫)

街道をゆく (42) (朝日文庫)