神奈川教

 神奈川教というのがあるらしい。県庁に就職すると入信かな。教祖は松沢成文知事なのだろうか。そんなカリスマ性をお持ちなのかどうか分かるほど知らないが。それともやはり、行政組織の存在自体が教祖様だろうか。

 政治や行政に対して日本人はおとなしい、という評価を聞くことがあるが、上掲動画の住民のかたがたを見ているとそんなことはない気がする。

 一方で神奈川県職員が説明なしに川崎南高校解体工事の準備を進めようとしたり、座り込みをする住民を無言のバリケードで排除しようとする様子がカルト教団の信者っぽく見えた次第。

 それにしても官僚が自ら成した行政の結果について責任を持たなければ、ということは最近何度か書いているのだけれど、地方行政が知事も含めてこれだけ責任を持たないようになっているのだということを改めて確認した。

 神奈川県が財政的に危機的な状況があった、というのは確からしい。

神奈川県財政の窮状について(PDF資料、神奈川県ホームページより10年前の資料)

県財政のあらまし2007(PDF資料、神奈川県ホームページより)

 下の2007年の資料を見ると、上の資料が作られた平成10年が最悪な状態だったらしい。翌年持ち直して、今はなんとかなっているようにも見えるが問題が内在しているのかもしれない。

 だから高校を作った時の「廃校に際しては介護施設などに転用し、地元民のために使う」という前言は撤回し、商業施設にできるよう売り飛ばしたい、という理屈らしいが根本がおかしい。

 財政状況がよろしくないのは税収の減収にあると言いたげだが、その前にそれまでの予算が正しかったのか、失敗した事業がなかったのか、失敗したならどのように評価し、どのようにリカバリするのか明確にするのが筋だ。

 しかるに県庁は別の理由をつくって切り抜けようとしたらしい。まさかそんなことで本当に説明できるとは思わなかっただろうから、最初から県住民のことは黙って税金を出せばいい存在と評価していたのだろう。でも、それは行政組織の姿ではない。カルト宗教にこそふさわしい。

 加えて若干自分の嗜好も交えた理想を言えば、すでに「ラゾーナ川崎」や「コストコ川崎」といった巨大なショッピングセンターがある川崎にこれ以上同じような商業施設などを作るのではなく、住宅地ととしてより理想的なまちづくりを推進し、他の場所ではなく川崎に、神奈川に住みたいと人が言うようなブランドづくりをしてほしいものではある。私が東京で家探しをしていたとき、川崎市や横浜市も検討の俎上にあったが結果的に一軒もみていない。時間が限られていたこともあるが、家賃や駐車場賃が安い一方で幼稚園や医療の補助が厚い東京都内を専ら見てまわることとなった。税収が少ないとか言う前に、住民や企業が逃げるような行政をしていないか省みまければまた十年前のような財政危機が来て、他人のせいにせいにすることになる。

 以上のことはたまたま日本テレビ「特捜プロジェクト」を見ていて知ったが、裏で県からどんな圧力があるだろうか。大阪では毎日放送の夕方のニュース番組「VOICE」だとか朝日放送の「ムーブ」だとか際どい情報も報道したりするのだが、日テレやテレ朝(「ワイドスクランブル」でもすでに取り上げられているらしい)もやってるのだな。その調子で国政についても報道してほしいものだが。

「特捜プロジェクト」以外のソース

川崎南高等学校─解体をめぐる記録
本気で臨海部の未来を考える会