北九州の憂鬱

 北九州市で、生活保護を打ち切られて死んだひとが複数出ているのは以前から知っていて、どうしたことかとおもっていた。7月に餓死して見つかった方については担当していた福祉事務所長が告発されているし(→西日本新聞)、8月に自殺した方には担当のケースワーカーが暴言を吐いていたという証言があるとのこと(→小倉タイムスの記事、生活保護問題対策全国会議サイト内)。

 これは、北九州という土地柄が起こしたことなのか(そうではないと思って書いているが)、福祉事務所という現場に根があるのか、厚生労働省という組織なのか、その現場の特定の人物が誘起したものなのか、というのが、私の気にしているところである。根っこを押さえて、もうそんなことは無いようにしたい、と外野からながら思う。

 別のニュースで、厚生労働省の九州厚生局前局長が収賄の疑いで捜査を受けている。厚生労働省の組織上、福祉事務局と九州厚生局は違う部署のようなので、その関連性を云々するのは乱暴なのかもしれないが、どちらも現安部政権の一貫した方針(と私が理解している)

「国民全体の7割くらいは働いて、できるだけ多くの税金を納めて、保守的な道徳観念を遵守して慎ましやかにやっといて欲しい、それが出来なければ用なし、ただ自分たちは別である」

 に沿って行動している、という点で共通している。勿論、こんなにあからさまにやってほしいとは与党政治家たちも思っていないだろうが。

 博多で暮らした経験のある私にとって北九州は微妙な距離感の土地なのだが、早く正常なまちに戻って欲しい。たとえ全国の福祉事務所で、同じように受給者をうざったく感じている人がいたとしても、これだけ何人も殺されるのはおかしい。