楓と蝉

 祖母の葬儀が無事済んだ。当事者としてはあれ失敗した、これ失敗した、ということ満載だったのだが。前日行方不明になった御供えの器は、やはり葬儀社の方が会場に運んでいたと判明した。

 慌しい中で見つけたのだが、ごく小振りな楓の木に、何故か蝉が沢山とまるのが我が家で話題になった。蝉の種類が決まっていて、全てクマゼミである。

 他に昔からある柿の木など、朝から晩までクマゼミにしろアブラゼミにしろ止まっている。特に朝一番、柿の木では喧しく鳴いている。楓に集まってくるのはひと鳴き終えた後の午後で、鳴くでもなくわらわらと集まってとまっている。

 楓というとメイプル・シロップを連想するから、樹液が美味しいのかもしれない。そうなると何故クマゼミに限って集まるのかが謎である。