大森に還る

 実家に帰るときは新幹線だった。東京に戻るのは飛行機にした。

 前日、家内が萩石見空港にチケットを取りにいったのだが、子供たちが昼寝してしまったため、私は子守で自分の実家にいた。寝ている子のうち、上は4歳で、小児運賃ながら1シート取らねばならない(3歳から小児運賃になる)。同じくらいのお子さんをお持ちの友達から「3歳過ぎても膝で乗ったよ」という話を聞いていた家内は、私と家内の分だけで予約できないか聞いてみたらしい。結果はルール通りに、長男の分も必要です、となった。

 ここで家内は私に電話で相談してきた。私は「とりあえず親の分だけチケットをとって、当日強行突破しようか」などと悪だくみを言ったが、家内の後ろにいた岳母から「そんなこと言ってもし乗れなかったらどうするの」と言われてあっさり3人分のチケットを買った。

 萩石見空港から羽田行きは1日1便で、9時半発。私の父と、家内の父母の見送りをうけて、東京に還った。

 大森に着くと丁度お昼時。駅前山王側にある「タパス&タパス」というイタリア料理店で昼食を採った。土曜日のお昼どき、待ち時間が出るほどの盛況である。

 家内と次男はご近所さんと何度か来ているが、私と長男は初めて。カルボナーラ、タパス風スパゲティ、お子様ランチプレート(ミートソーススパゲティ)、ドリンクバーを頼んでみんなで分けて食べた。

 カルボナーラは、非常に美味しい。また食べに行きたい。貝やタコなど海のものがふんだんに入ったタパス風スパゲティも美味しい。

 ただ、子供用のミートソースは……しょっぱい! 子供らがほとんどたべず、カルボナーラばかり食べるのも無理なかった。それでもまたお昼なり、優雅な夕食なりと食べにきたい店である。夏休み締めくくりのささやかな贅沢にふさわしかった。