稽古での頭部外傷から部員を守るために、再び

 もうひとつ、2013年2月2日と3日の東京都合気道指導者講習会から。座学についても書いておこうとおもう。

 2011年度にもお話し頂いた、国際武道大学准教授の立木幸敏さんに頭部外傷への対処の在り方やストレッチについての講義をして頂く内容だった。頭部外傷については前回もメインのテーマとして講義頂いた内容で、最新の情報を説明頂いたということになる。つまり、頭を打った時の対処。

 脳震盪を起こした際の対応はより明確に決まってきていて、チームや道場によって違いが認められるような話ではなくなってきている。下記のような対応を取ることが必須で、例外はない。

  • 脳震盪を起こした場合は競技や練習、稽古は中止する。
  • 意識を失った場合はすぐに意識が戻ったとしても医療機関に搬送する

 こういったルール適用の厳格化はまずアメリカンフットボールが競技として取り組み、次にラグビーが取り組んだ、という話しを聞いた。学校のクラブ活動での死傷事故の数からして次は柔道が取り組む番だろう、というのはうなずける。「脳震盪を起こした時に指導する側もされる側もやめるように言えば良いんです。でもそれがなかなか行われない。何故か、というのが考えるべき問題点だと思います。オリンピック代表監督の体罰の問題も、内柴の問題も根本は一緒です」というようなお話しがあったのが印象に残った。

 当日のテキストの中に『スポーツ現場での脳震盪の診断』という1枚ものの資料が納められていた。診断のためのガイダンスがコンパクトに1枚にまとめられていて、ネット上に公開されているのを先日ネットプリントでカラー印刷してきた。例えば大田区合気道会で稽古に使わせてもらっているのが近所の南馬込文化センターだが、こういういろいろな練習に使う場所や道場に常備しておいたら良いだろうと思い。パウチして持ち歩けば耐久性が増しそうだと思ったが、取り急ぎクリアーファイルに入れて道着と一緒に持ち歩くことにしてみた。

2月2日の東京都合気道指導者講習会の座学で紹介のあった「スポーツ現場での脳震盪の診断」公開されているPFDをネットプリントで印刷してきた 頭部外傷への対処はどの武道・武術・スポーツでも厳格になっている

 この PDF は公益財団法人日本サッカー協会のウェブサイト上で公開されている。「スポーツ現場での脳振盪の診断」で検索すると最初に結果表示されるのではないかとおもう。以下がリンク。

http://www.jfa.or.jp/jfa/medical/images/b08_01.pdf