武道関係者へのインシデント共有としての私のささやかな怪我について

 9月11日の稽古で、珍しい怪我をした。

 私も期間だけ見ると20年以上稽古をしていることになるし、様々な「道場」を経験している。だが今回のような事は初めてなのでレアケースなのだと思っているが、こんなことも起き得るのだという経験の共有が、畳の上で稽古をする方々と出来ればと思うので書いておく。

 大人の稽古の際、正面打ちからの入り身投げだったかを稽古していた際、入り身して後足に重心を移した際に画鋲を踏んだような痛みがあって「アチッ」っと思わず声を上げてしまった。その辺りを見ると丁度畳みの角が合わさった部分。

 南馬込文化センターでは、1階の体育館部分に畳を敷き、周囲を紐で囲んで崩れにくいように工夫して稽古をしている。畳には複数種類があり、最近武道場用の畳としてメジャーな、厚みもある畳、特に重たい分を周辺部分に配置してより崩れ難いようにする。

 一方でたいぶ年を経たと思われる畳にはかなり薄めのものがあり、特に裏に灰色の布が張ってある分は四隅が破れてなかにクッションとして入っている発泡スチロールが覗いていたりする。

 私が何かを踏んだのはそのように破けた古い畳の隅だったが、一見なにも見あたらない。しかし師範代の先生達が「ホッチキスではないか」と言われるので良く見ると、実は畳表を折り返した裏の部分が糸で縫うのではなく、工業用のホッチキスで止めてあるのが見てとれた。そのうちの一箇所だけ、ホッチキスが起きていた部分があったようで、それを踏んだらしいと判明した。

 しばらくすると血が出てきたので畳を汚すまいと下り、ざっと消毒して取り急ぎ絆創膏で押さえた。親指の付け根の膨らんだ部分、足で地面を捉える時に核とする部分だが、すぐ引っ込めたようで傷は特に深くもなく、血はすぐに止まった。その間皆さんで該当の畳を即撤去。

 大田区合気道会として釈明すると、丁度他の道場に協力依頼をして、畳の入れ替えを検討していたところだった。よりによって入れ替え直前に私がダメを押してしまったようだ。子供や女性でなく、頑丈なおっさんの身で以って危険を排除できて良かった。

 それにしてもちょっと前にも足の爪が剥がれて流血したが、どうしたのだろう。頑丈なおっさんの称号剥奪だろうか。