東京姫斑猫

 最近、家の近くにハンミョウが大量にいることに気が付いた。あるくと逃げる準備か飛び上がって壁に、ふ、と止まる。小さいし、警戒心強く逃げるので気をつけないと蝿か蜂かに、見間違う。

 子供のころに見たハンミョウはナミハンミョウで、羽が虹色に美しく光るやつだった。いましきりにうちの周りを飛び回っているのは、羽が渋い茶色で模様がないように見える。歩いていると、ちょっと飛んで逃げるので、そういえば「ミチオシエ」なんて俗名を本で読んだのを思い出す。

 調べると、トウキョウヒメハンミョウというのが一番それらしい。ニワハンミョウなり、コハンミョウというのは羽の模様があるのだが、近所にいるのとは違うようだ、という判断。

 ということは、この辺りにはハンミョウの幼虫もたくさん棲息しているのだな。ハンミョウは肉食だ、というのは覚えていたが、幼虫についてネットで調べて、そうそう、幼虫は土に穴掘って捕まえた虫を引きずり込むんだ、と思い出した。この近所でその穴がたくさんあいている場所があるのだな。