沖縄都市モノレール線「ゆいレール」から忘れ物を送ってもらった

 子供が沖縄に旅行に行ったことがあるのだが、帰ってくるなり帰りの那覇空港への移動中、モノレールの車内でお土産に買ったものの一部を忘れてきてしまった、という。移動中に自分でゆいレール那覇空港駅に電話し、忘れ物が届けられていることを確認していたのだが、翌日改めて那覇空港駅に電話して送っていただけないかご相談しようとすると今度は「届けられていない」と話しが変わってしまったという。

 

 こういった、問い合わせのやりとりが噛み合わないことで忘れ主が諦めてしまい結局取り戻せないような例も世の中にはあるのかもしれない。しかし、彼には幾多の忘れ物を取り戻してきた経験を持つ父親がいる。熟練の技を見せる時が来た。

 

 子供に落とした状況を再確認する。勤務の合間なので LINE でのやり取りである。

 

  • どこで乗ってどこで降りたか

  県庁前駅で乗車→沖縄空港駅で下車

  ※本来は何両目の何番目のドア辺りかまで伝えるのがベストだが今回は省略

  • 何時頃か

  14時から15時頃

  • 落し物はどのような見た目か 

  白いビニール袋(レジ袋の類ではなく、しっかりした感じ)に購入したトートバッグが入っている/ピンク色っぽいビニール袋に購入したちんすこうの箱が入っている

  • 問い合わせた際の担当者名*1

  控えていない 

 

 並行してゆいレールのウェブサイトを確認する。「ゆいレール 遺失物」で検索。問い合わせ先の情報を参照する。遺失物は沖縄空港駅、てだこ浦西駅、県庁前駅のいずれかに届けられる。ページの下方に問い合わせフォームがあることを確認。電話での問い合わせは子供がやっているので、まずメールで正確な情報を伝えることとする。こんな感じの文章を送った。ポイントは当たり前のようだけど、日時と忘れた場所、見た目を具体的に伝えること。保管していただいた駅の方の視点で探してもらえるように伝えること。

 

◯月△日旅行で沖縄を訪れている際に利用させていただきました。
14時~15時頃県庁前駅から那覇空港駅まで乗っています。
その際に忘れ物をしてしまいました。
昨日那覇空港駅に問合せた時点では「届けられている」との回答だったのですが、本日同じく那覇空港駅に再度電話したところ「届けられていない」と回答が変わってしまいました。
改めてご確認いただけないか、ご相談させていただきます。
忘れたものは下記二点になります。

1. 白いビニール袋で内容はトートバッグ
2. ピンク色の袋で内容はちんすこう

 

 問い合わせ時に入力したメールアドレスには入力内容確認のメールが送られてこない、送りっぱなしのメールフォームらしい。問い合わせフォームとしては、あまりよろしくない。メールアドレスを入力間違えしていないだろうな……と思いつつ数時間待つ。翌日まで対応を繰り越しても良いのだが、なんとなく鉄道会社としての対応の青さが見えてきたので数時間後に沖縄空港駅に電話をし、メールフォームで送ったのと同じ内容を電話で伝えた。

 

 すると「今朝お電話いただいたのも認識がございます。実はトートバッグの忘れ物、と確認されたので届いていないと回答してしまいました。白いビニール袋ならば届けられておりまして、てだこ浦西駅で保管しています」との回答を得た。なるほど、今回は視点の違いからくる勘違いだった。トートバッグの方だが、実は誰に贈るかが明確に決まっていたものだった。だから子供は無意識に「トートバッグの忘れ物」と伝えてしまい、駅員さんは「トートバッグそのものの忘れ物」と聴き取ってしまったのだろう。

 

 続けててだこ浦西駅に電話し、やはり同じ内容を伝えて保管されている旨の回答を得た。ただ、間違いなく落とし主かの確認が必要とのごもっともなお話があり、担当の方のお名前を伺い子供に LINE でご担当名も含めた連絡先と何を話せば良いかを書いて送った。本人から再度電話し、無事確認がが取れ、着払いで送っていただけることとなったと横で聞いていた妻から報告があった。

 

 これで一件落着のはずだったが、翌日になってメール問い合わせの方に回答が返ってきた。返ってきたのは良いのだが「ご質問の遺失物は届けられておりません」と返ってきた。やれやれ。

 

 私は昨日の電話での確認状況を返信に書いた。そして電話での問い合わせの内容が食い違ったのは理由があったことと分かったが、間違いがないようにとメールで問い合わせたのに何故また回答が食い違ったのでしょうか、と書いて送った。嫌な客だ。

 

 今度は数時間後に返信があり、沖縄空港駅と県庁前駅とだけ確認を取っていたため正確な状況がご回答できていなかった、との説明があった。この返信の時点で忘れ物は着払いの宅急便で届いており、送り状と受け取った旨を知らせる返信票が同封されていた。送り状には遺失物番号が記載されているので一元管理する考え自体は沖縄都市モノレールは持たれているのだろうが、管理場所を三箇所設定しているのに各場所に届けられた遺失物情報には簡単にアクセスできないようになってらしく思われる。関東の私鉄だと東急電鉄は各線ごとに遺失物の集約駅が定められているのだが、その代わり検索システムがあり、集約駅以外でも参照可能なようだ。私は最寄りの大井町線荏原町駅で手袋だったかを探してもらった時、その場で検索して下さったのを見た記憶がある。そこまで難しいことをしなくても、ゆいレールの駅数であれば Google Driveスプレッドシートで共有するだけでも良いのではないだろうか。

 

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 今回自分が沖縄に行けたわけではないので「photock」というサービスでゆいレールの無料画像をダウンロードさせていただくなど。いつか沖縄にも行きたい。

 

「落とし物を取りに行ってきた」シリーズ







 

mukunokiyasuo.hatenablog.com

*1:相手の名前まで確認する、というのは私の仕事上の鉄則のひとつでもある。会社間での問い合わせでも、名前を確認していないまま「先ほどこのように伝えたはず」と話を進めようとされる方は世に多い。実際は他部署どころか他の会社と話しておられたのに勘違いしているような例すらある。問い合わせをする方も受ける方も相手の方の名を押さえておくだけで話の食い違いを防げるし、相手の無責任な言動を抑制できる場合もある。