携帯電話の名義変更に必要な書類は

 昨年末に亡くなった岳父の初盆のため実家に戻っている。この度は初盆の準備とは別に岳母の携帯電話の名義変更手続きも行ってきた。岳父の名義での契約のままになっていて、プランの見直しもできないようになっていたためだ。以前より家内の姉も気にしていたもので、書類手続きなどの面倒を「ようせん(長州弁で「とてもできない」、の意)」という岳母に代わってやってしまうのは一緒にいる時でないと難しいのでこの機を逃さずやってしまった。

 

 今回のように元の名義人が亡くなったことを受けての名義変更は、運転免許証かパスポートのいずれかがあればスムーズに行く。ところが健康保険証だと、加えてもう一点本人確認書類を求められる。これが大変に分かり辛かったのでまとめておく。

 

結論

  さきにまとめてしまうと「健康保険証を使うならばもう一点の書類をは住民票の写し一択だぐらいに思った方が良い」ということになる。なお元の名義者が亡くなったことの証明書類も求められるので出来れば揃えておくと万全。逝去による名義変更でなければ元の名義人についても「運転免許証」「パスポート」「健康保険証と住民票の写し」いずれかを用意する。


  今回名義変更で手こずったのは au だったのだがそもそも携帯電話各社の案内がどれも非常に分かり辛い。ソフトバンクの案内が分かり難いなりに参考になるのでスナップショットで例示すると下記の通り。


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  名義変更のパターンのリスト。そこから名義人逝去の場合の説明ページを参照すると

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  名義変更先本人の来店が必要になることが記載してある。本人確認書類については更に別ページを参照、となる。

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 このページの内容はこのたび au 益田高津店で名義変更のための書類をみせてもらった時に記載のあった説明とほぼ同じだった。だが後述するが au の担当者間においてもこの本人確認書類のルールについて正確に情報共有されていない様だった。そもそも書類には記載があっても au のウェブサイトにはこの辺りを端的に説明したページは見つけられなかった。因みにドコモも調べてみたが分かりやすいとは言い難い内容だった。

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au は「電話で出来る」ようなことだけを書いているが実際はそうではない。またここから詳細を調べようとしてもたどり着くのが難しい。

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docomo についても本人確認書類が何なのかがぱっと見分からない記述になっている。


au の対応の不統一を記録しておく

 岳母の名義変更がどれくらい手間取ったかをまとめておく。お盆で親戚が集まってこられるところ話しを聞いて自分が調べ始める前からの経緯がだいたい分かった。というか最初から au の対応がブレている……

1. 親戚が引き落とし口座の名義変更

 葬儀を出した後引き落とし口座の名義を岳母に変える手続きを手伝って下さっていた。その際に携帯電話の名義変更もしようとされたが「娘さん(家内の姉)と同じ契約になっているから娘さんが手続きしなければならない」との回答で保留にされた。


2. 家内の姉が問い合わせ
 親戚の話を受けて義姉が問い合わせし、本人確認書類について岳母が運転免許証もパスポートも保持していないことを話すと「健康保険証で手続きできます」と言われる

3. 私が電話で問い合わせ
 このたび帰郷して調べるが au のサイトの情報だけでは分からなかったのでコールセンターに問い合わせ。下記書類があれば店舗で手続きできると回答を得る

(1) 元の名義人が亡くなったことの証明書類 …… 探したところ火葬許可証があり
(2) 本人確認書類 …… 健康保険証でOK
(3) 携帯電話本体

4. 岳母と私と家内で店舗へ(1回目)
 上記と直近の au からの料金引き落としの案内を持参。ところが書類が足らないと言われる。

「問い合わせてから来たのになんで話しが違うの?」
「当店に電話されたんですか?」
「いや au のコールセンターに(まさか au 本体と個々の店舗で基準がばらばらとは言わんだろうな、と思いつつ)」

  結果として本人確認書類については健康保険証と「住民票の写しか公共料金の引き落とし票のどちらか」で手続きできると確認。

5. 岳母と私と家内で店舗へ(2回目)
 電気料金の引き落とし票はあるのでそれをもって再度店舗へ行こうとするがその前に私が店舗へ電話。本当にこの書類で手続きできるのか最終確認するが、これが功を奏する。

「実は公共料金の引き落とし票に住所が書いてないとだめなんです。住所が記載されていることがポイントなんです」
「(そんなこと一言もこの前言わへんかったぞ、と思いつつ)見たら住所は印刷されていない。ということはこれではまた出直しになってしまうので、住民票の写しがいるんやね?」
「住民票ならば確実だと思います」
「思います、じゃ困る。何遍来店させりゃ気が済むの」

  幸い旧町役場、現在の市役所出張所は遠くないので車で寄ることができた。更に幸いなことに窓口の担当が家内の友達だったので(何しろ狭いまちだ)スムーズに写しを入手、店舗へ向かった。

 手続きにおいては本人確認書類は店舗担当者でコピーを取られたが火葬許可証は見せただけで、あとは私と家内が岳母の書類の起票を手伝って手続きは受け付けられた。


 携帯電話各社に提言

 今回経緯をながながと書いたのはサポートセンターや店舗担当者の対応を責めたいわけではなく、会社としての au なりが会社組織として書類手続きのルールの意味を共有出来ていないことを指摘したいから。本来詐欺に使われるなど携帯電話の不正取得への対策が目的であるのだろうが、今回私が目の当たりにした対応の混乱は既にルールが形骸化していることの表れではないだろうか。

 ドコモとソフトバンクは不十分ながらもルールの意味を説明しようという意図がウェブサイトから感じられたが au はルールがあることすらサイトの説明から読み取れなかった。現場が統一された対応を取れないことも当然のように感じられた。

 どうすれば良いのかと言って難しいことはなく、手続き内容の意義と必要書類をシンプルにまとめ直せば良い。本人確認書類など冒頭に書いたように「運転免許証」「パスポート」「健康保険証と住民票の写し」の三択にし、それ以外の個別パターン、例えば外国籍の方はパスポートと外国人登録証明書が必要とか、学生の場合は学生証と健康保険証でも良いとか、それらは別ページ参照にすればほとんどのひとは迷うことも少なくなる。またシンプルに記述することでサービスサポートにあたる現場でも認識の統一が図りやすくなるとおもうのだが。

 今回のように高齢者については難しい書面の起票や書類を準備したりは難しい場合も多かろうとおもう。受付ける方が意味を理解していないような手続きにおいてはいつまで経ってもできないことになりそうである。各社には現場のためにも改善を図ってほしい。