自転車でめぐる萩のまち

 家内が萩(もともとは長門かな)の友達に会いに行くのに、ついていった。私も知っているので金魚のふんのようについていっても良かったのだが、家内が「それよりも、ひとりで萩を自転車で好きなようにまわってきたら?」と言ってくれた。向こうも子供がいるので、子供たちは家内について行くという。

 かくして萩美術館の前でおろしてもらって、まず美術館でやっていたウェッジウッドの展覧会を楽しみ(萩焼のまちだから、陶器の展覧会が企画されたらしい)、そのあとで萩のまち、堀内などを気儘にめぐっていった。

 ちなみに休暇で山口で戻ってからも雨続きだったのだが、この日初めて晴れ間がみえた。昨年もたしか萩博物館に子供たちをつれてきたときは綺麗に晴れていたのだが、晴天の萩の町は綺麗だ。


 さて、貸し自転車がそこら辺にあったような気がして歩き始めたのだが、どうも見つからない。普通の自転車やさんが萩高の近くにあったので聞いてみたら、萩城の方に行けばあると教えて頂いた。田町の商店街だとか、菊屋家付近にあったように感じたのは勘違いだったらしい。海側にある萩城の方へ歩いていき、何軒が立ち並ぶ、バスなどをとめられる駐車場をそなえたみやげものやさんのうち「花の江」という店で自転車を借りて萩の町を走りだした。預かり金で先に千円を渡し、返却時に1時間210円だかで再計算して払い直すようになっている。


 田町商店街から堀内のあたりを適当に走って回った。以前行ったことのある蕎麦屋で昼食にしようと探し回ったのだが、見つからない。どうもつぶれたのか、貸衣装やさんになっている店がその蕎麦屋だったのではないか、とおもわれた。やはり以前行ったことのある雑貨やとカフェがあるお店に行き、そこで遅い昼食をとった。


 自転車を駆ってまわってみて、萩の町の風情はなんとなく南の島っぽいところがあるな、とこのたび感じた。他にそのような感想を述べているひとを見たことがないので共感を得られないかもしれないが、景観条例が功を奏して高い建物はなく、塀も低い石垣が古くから残っていたりするところからそのような連想をしてしまう。実際今回まわった萩市街は松本川と橋本川にはさまれた中洲だから、島っぽい町並みだといっても外れてはいないような気がするのだがどうだろうか。

 今回橋本川べりまで自転車で走っていったが、そういえば先日橋本川にアゴヒゲアザラシが現れてニュースになっていたが見ることはできなかった。まぁ、いい休日を過ごさせてもらった。

 友達と会って戻ってきた家内に「どこにいるの?」と聞かれて自転車を借りた「花の江」って店にいる、と言ったら「ああ、友達ん家」と言ってすぐに迎えにきてくれた。同級生の実家なのだそうで…… やっぱ萩の世間は狭いなぁ。