唯心館杉野道場

 天気がよければ自転車で家族で出かけようかと話していたが、朝から雨が降っている。長男も次男もお世話になったチャイルドシートを廃却することにし、第二京浜沿いにあるブックオフに引き取ってもらえるかどうか自動車で聞きにいった。結果は値段がつかないということで、申し訳ないながら処分して頂くこととなった。

 そのまま帰るつもりだったが子供がいやだというので、川崎ラゾーナまで買い物に行ってから帰ることにした。

 第二京浜を南河原公園の前、都町の交差点で左に曲がっていくいつものコースを自動車を走らせていてふと、あるものをずっと見落としていたことに気がついて愕然とした。

 ラゾーナの手前で、白地に書かれた道の左側に看板が出ているのである。

「唯心館杉野道場」

 今まで何度となくラゾーナに来ているのに! 周りの風景が再開発ですっかり変わってしまい、分からなくなっていた。

 私はこの道場の前に1991年の4月か5月頃、一度立ったことがある。17年前のことだ。その時周りはもっとごちゃごちゃした下町だった。

 勤めるようになって研修のため川崎市中原区に行った私は、道場を探して週末歩いていた。杉野嘉男先生はまだお元気で、合気ニュースから出ていた『植芝盛平合気道』を読んでお名前は知っていたので杉野道場も探して行ったのである。

植芝盛平と合気道―開祖を語る19人の弟子たち (合気ニュースブックシリーズ 1)

植芝盛平と合気道―開祖を語る19人の弟子たち (合気ニュースブックシリーズ 1)

 道場はひとけが無くて、訪ねづらい様子だったので二の足を踏んでしまった。結局私は大阪に配属が決まって戻るまで、三軒茶屋にある清水健二先生の天道流の道場で3ヶ月ほど稽古をさせて頂いた。

 家内は「ここに稽古に行けば? 月1回でもさ」という。調べてみると杉野道場は古くから合気会の川崎支部としても活動されているらしい。合気会ならば、師範の阿部先生に事後報告すればよいのではないかという判断が成り立つ(道場でともに稽古していた川崎さんご存命のころ、吹田の天之武産塾道場からの帰りに「君くらいになったら、よそで稽古する時は先生にお断りしなければいけないよ」と諭されたのがずっと頭にあるのだ)。

 南馬込でも稽古している場所があるのだが、はてどちらが良いか。

 杉野道場についてはネット上で情報が少なかった。下記くらいだろうか。

『OFFは武道楽者!!』