シド・ビシャスかい

 この週末は体育の日がある連休で、うちの近所の幼稚園はみな運動会だった。長男の通っている幼稚園も、運動会を行った。ニュースを見ると、皇太子ご一家も愛子様が始めての運動会だったようで。

 私も初めての子供の運動会を迎える父親として、ビデオカメラを構えて過ごした。ただし、得てして一番残しておきたい場面にカメラを構えていないものである。


 その時長男は、自分に関係ないプログラムで同じ組の友達といたのだが、丁度前にスタートと終了の合図をする係りのおじさんがおられた。長男たちがおじさんにちょっかいをかけようとすると(この時点でおかしいんだけど)、おじさんはスタート用のピストルを撃つまねをして、遊んでくれる。

 と、長男はおじさんの隙をみて、二丁あるピストルのうち一丁を掠め取ってきたのである。止めなさい!と後ろから叫んだが届かないし、次男が寝ていたのでとっさに叱りに行けない。

 みるまに長男は組の友達たちの前に戻ってきたかとおもうと



 パン!



 引き金を弾いてしまった。

 一同びっくりだが、一番驚いたのは引き金をひいた本人だったらしく、時既に遅しながら叱りにいった家内にしばらくしがみつき、びっくりした、びっくりした、と言っていた。彼が想像していた音を、遥かに超えていたらしい。既におじさんが何度か打っていたのを見ていたから、分かるだろうに。

 しばらくして落ち着くと、友達とピストルをうつ真似をして、ちょっとしたヒーロー気取りの長男だった。やれやれ。