親馬鹿の記

 以下親馬鹿による子ども自慢なので苦痛な方は読み飛ばして頂ければ幸いである。

 先週末の大田区合気道会の稽古で、長男が友達と両手取り天地投げを前でやってみるよう尾崎師範に言われた。尾崎師範はご自分が技をやってみせての稽古も勿論されるが、子供達に前でやらせてからの稽古もよくされる。

 で、尾崎師範がわが長男が前に出て来る時の膝行を「一番良く出来ている」と褒めて下さった。

 更に「○○(長男の名前)、あっちまで膝行して皆に見せてみなさい」と仰るので長男はやってみせる。

 畳の端まで行くと今度は「じゃ今度は反対の端まで」と言われて長男「ええっ」と良いリアクションを取りつつ膝行してみせる。

 反対に言って「もういっぺん反対まで」と言われてまた「ええっ」と素敵なリアクションを取るので後ろで見ている大人達はくすくす笑いつつも尾崎師範と同様に褒めて下さった。それをポーカーフェースを装いつつ(よしよし)とか思いながら見ているというのが親馬鹿の一である。

 この晩は昇級昇段の方々をお祝いする会が大森駅前の「酒蔵一番」で催されたので参加したのだが、この席でも「○○の膝行はお父さんそっくりでしたね。上手でした」と褒めて頂き「ありがとうございます!」と頭を下げつつ内心(よしよし)と思っており、相変わらず親馬鹿を晒していた。

 余談だが私の膝行は大阪市立大学合気道部の準備運動における「膝行五往復」で培われたものであり、かつ「黒帯より遅かったら承知せんぞ」的な無茶で鍛えられたといえる。私は背が低く足も短いので、いかに後足を引き、かつ上体が揺れないよう下半身を柔らかく使うかという点を大学合気道の4年間で稽古していたことになる。

 ただ膝行のやり方とかそういうことを我が子に教えたかというと、子ども達が合気道を始めたごく最初の方で「後足をしっかり引くんだよ」といっぺんやって見せたきりでその後は何も教えていない。

 宴席で師範代の先生に「○○(長男の名前)も□□(次男の名前)も自分から黒帯につきに来ますよ。つきに行かない子が多いですけどね」とも言って頂いた。実際長男次男が稽古で私のところに来ることはほとんど無い。私は自分のところに来た子供、ないしはつきに行く相手を見つけられずぼーっとしている子供を捕まえて稽古しているので実はあまり自分の子供の稽古をよく見ていないのだが、同じくらいの年の子どもと稽古している事も多いようながら、こと次男などはぱーっと走っていって前におられる先生につきに行っているようである。

 次男は幼稚園の頃はつきに行って礼する、というよりは走って行って先生に抱きついているような様子だった気がするのだが、小学校も2年生になると「ちょっと雰囲気が変わってきた」との話を伺った。やる時は集中してやる……という態度が、きかん気が強く容易に言うことを聞かない次男に出てきたら良いことなのだが。

 私は先生につきに行きなさい、ということも自分の子供に言った記憶はなく、それが自然と出来ているならば良いことだとおもう。よしよし。

 あ、親馬鹿終わりに致します。