東京都内で稽古できる武道場探し 夢の島 BumB東京スポーツ文化館の場合
3月8日の日曜日、神戸大学合気道部のOB会の主催の稽古にお誘いいただいて、新木場駅近くにあるBumB(ぶんぶ)東京スポーツ文化館に行ってきた。新木場駅でりんかい線を降りて目の前にある夢の島公園のなかをしばし歩いたなかにあった。
こんな公園道の先に立派な施設があった。
この BumB、という施設、公共の施設のようだが事前にウェブサイトを見てもどういう施設なのかいまいちよく分からなかったもので、どういう出自の施設なのか、使い易いのか、という興味も持って出かけた。
道場は128畳あるので立派なものだが、東京武道館の更に立派な道場を知っているので意外に狭いなと感じてしまった。写真の右の壁の向こうは同じ広さの剣道場が1面ある。それぞれひとつの柔道部や合気道部、あるいは道場が稽古するには十分な施設になっている。
BumB には他のスポーツ施設も集まっていて、柔道場の左隣にも広い演技場(スタジオ)があって、当日は新体操の練習を女の子たちがずっとやっていて稽古中はその音楽がしきりにかかっていた。他にバスケットやバレーボール、バドミントンなどができる体育館、アーチェリーのフィールド、プール、フットサルコートがあり、更には宿泊施設がある。総体としては広大な施設だ。
神戸大学のOBの方に伺って分かったのだが、予約は12ヶ月前から取れるのだが週末はすぐに予約で埋まってしまってなかなか取れないのだという。平日ならば取れるが、宿泊施設も使っての合宿があるような場合は何日か継続して取られてしまう場合もある。そういう使われ方をする施設と分かった。場所的にも近いとは言い難いし綾瀬の東京武道館と変わらないということが分かった。むしろ我々大阪市立大学合気道部が東京武道館を使うときに一緒に稽古しても場所的には成立しそうなので、次回は神戸大学合気道部のOB会にもご案内させていただきましょう……とお話ししてきた。
BumBスポーツ文化館でもらってきた柔道場の利用案内。内容は2015年時点のものなので悪しからず参照いただきたい
柔道場と剣道場は施設の一番端の方にあったのだが、途中の廊下に掲示してある事業目的を読んで BumB という施設ができた経緯が分かった。青年の家を再編してできたものだという。青年の家というのがこれまた調べてみても国立青少年教育振興機構という独立行政法人のものだったり、都道府県の公益財団法人のものだったりあるようなのだが役所ではないが行政に近いところで作られた行政施設だということでわかりにくかったらしい。
東京で青年の家、というと「東京都青年の家事件」というものが調べると出てくる。府中にかつてあった青年の家で同性愛者に対する差別があっただけでなく、青年の家の職員や東京都教育委員会もそれを追認するような行為をおこなったという問題である。
東京都青年の家事件(とうきょうとせいねんのいえじけん)とは、同性愛者の団体に対し、東京都が「青少年の健全な育成に悪い影響を与える」として宿泊施設「府中青年の家(閉鎖)」の利用を拒絶した事に対して、1991年2月に起こされ、1997年9月の二審で原告団体の全面勝訴で結審した損害賠償訴訟である。提訴の理由は「青年の家を利用した際、他団体から嫌がらせを受けた。そこで青年の家側に対応を求めたところ、青年の家所長と都職員から不誠実な対応をされ、今後の利用を拒否された」というものだった。
これを知ると東京都において青年の家が「再編」されたというのはこの問題への対策であったのかもしれない。本質的な対策なのか目くらましなのかは分からないが。