『東京慕情』

 家内はまだ指が腫れているが、薬のせいで痛みは抑えられている。今日は朝から、ブックオフに本とCDを売りに、ダイソーに買い物に、花屋さんに御遣いに、臼田坂下池上通り沿い近くの「カヤノ」に散髪に、をまとめて行って来た。

「カヤノ」でちょうど先客がおられる時間帯なので30分ほど待つこととなった。普段はほとんど待つことがないので見過ごしていたが、本棚に面白そうな本を見つけて読んでみた。つい最近出た本だ。

東京慕情―昭和30年代の風景

東京慕情―昭和30年代の風景

 東京新聞が刊行した昭和三十年代の東京の風景をまとめた写真集で、インタビューも豊富に織り込んである。『三丁目の夕日』にあやかって出したのかな、という感じだが、いい時代の東京を写し取った写真が並んでいた。なかなかいい。

 繰り返し出てきたのが「街はすっかり変わってしまった」というお住まいの方の慨嘆で、まことに東京のまちの壊れ方のスピードや規模はすさまじい。それでも東京では地元意識が強いひとがまだたくさん住んでおられて、捨てたものではない気がしている。不動産屋やマンション販売会社の言いなりになるばかりでなく、そういう人たちが脚光を浴びる東京であってほしい。