実例

 2年続けて「ほぼ日手帳」の4月始まり版を使っていて、先日3冊目の「ほぼ日手帳」を購入した。

 で、話は昨年度の手帳なのだが、日ごとのページの下にちょっとためになりそうな言葉とか、「いいまつがい」などからの笑える話とかが載っている。その中に何点か『海馬』という書物からの引用があった。

 印象に残る言葉が載っていて、調べてみると『夢をかなえる洗脳力』(苫米地英人著)の読後に(もっと脳の機能について、書いてある本も読んでおきたいな)などと感じたのに丁度良いと、購入して読んでいる。

 唐突だけれど、最近ちょっと我に返ると(俺もそのうち、死ぬよな)(今年で40歳だから、もう半分過ぎているかもしれないな)なんぞということをしきりに自問自答している。続いて、死ぬまでに何したら納得できるのかな、というようなところに行き着いて、答えは漠然としたままで次の自問自答に至る。

 そんな中「脳は30歳から独特な働きをするようになる」「30歳から脳は、もののつながりを発見する働きが飛躍的に増える」という事実は、素直に手助けになる気がする。

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

 ここから引用になるが、給料仕事においても、電子書籍の献本の場面においてもコミュニケーションの取り方を反省することが多かったところ、この箇所が気に入った。






糸井 脳のはたらきのいい人が増えると、世界がおもしろくなるでしょうね。
 人と人とが会うのも楽しくなるし、映画や音楽というような娯楽にも、いいものがいっぱい出てくるでしょう。それに仕事のできる人が増える。
池谷 はい。ただ、頭のいい人どうしや、おもしろい人どうしがうまくいくかは、またわからないでしょう。そこはもう、生命科学がカバーできる範囲ではないですけど。
糸井 ああ、そういうことはありそうだ。「すごくナイスだな、頭いいな」とぼくが思っている組織のボスどうしを紹介するのって、すごく難しいですよ。たぶん、牽制しあって、なかなか仲良くならないから。ボスどうしのそういう間合いって、脳の仕組みと関係ありますか?
池谷 関係なくはないと思います。脳は、もともと新しいものに対して必ず警戒心を持ちますから。そうじゃないと、たとえばはじめて会ったヘビにサルは近づいていってしまいます。それでは噛まれてしまいますからね。
(『海馬 −脳は疲れない−』「ストッパーをはずすと可能性がひろがる」の章より)

 でも、そういう警戒心を軽々と超えて交流したところに、凄いものが生まれることがある、という実例をたまたま「tantan」というSNSの中で教えて頂いた。他にもコラボレーションの例はあったのだけれど、これは飛び抜けている。テキストと実例がそろうラッキーに感じ入りながら。ジェームズ・ブラウンルチアーノ・パヴァロッティである。