ビジネスモデルとしての通販生活

通販生活」でこの冬だけで、2回重要な買い物をした。

 ひとつはデロンギ社のオイルヒーター。

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 我が家はエアコンはあるのだがこたつを置いておらず、足元が寒いことがある。家内がご近所さんでオイルヒーターを見て、良さそうだと以前からおもっていたとの事で年末に購入した。朝の寒いときにはエアコンと併用するので電気代が少し高くなったようだが、それ以外はオイルヒーターだけでマンションの部屋では過ごすことができる。そもそもオイルヒーターにはタイマーがついているらしく、使いこなせば朝起きる前くらいからつけておくこともできるようだ。

 もうひとつは「ノンルーズ・ソファーカバー」。

 うちの二人がけソファーは、長男が生まれたとき授乳によい椅子がなかったため急いで箕面の湯川家具に行き買って来たという経緯のものだが、そのソファーでおっぱいをもらって育った二人は今ではソファーをトランポリン代わりにして遊ぶ有様なので穴が開いてきたりしていた。昨年一度別の通販でソファーカバーを頼んだのだが色がカタログを見たイメージが違い、返品となっていた。

 今回のものは横にだけ伸びるように編まれていてずれにくい、というのが売りのものでその謳い文句に違わずずれない。色もイメージ通りであったうえに肌触りもよろしかったのでめでたくそのままお買い上げとなった。

 他にも通販生活で購入したものでいくつか長く使われる商品がうちにもあり、商品の質にもっとも信頼がおけるという印象がある。

 で、ここで書いているのは「通販生活がいいですよ」というのがテーマではなく、そのカタログを読んで「強みを活かしているなぁ」と感じたことを書こうとしている。

 通販生活のカタログには、本当に商品カタログで成り立っているものもあれば、今手元にある「2009年春号」を読んでいると、カタログ部分以外に普通の雑誌のようにコラムがあったり、取り扱い商品とは直接関係ないインタビュー記事があったりする。

 更には商品を通してアンケートというコミュニケーション手段があることを活かした取材ページがある。

  1. 通販生活国民投票第40回 自衛隊をいつでも海外派遣できる「恒久法」の制定に賛成ですか? 反対ですか?
  2. シリーズ現代の常識 これだけは知っておきたい医療崩壊 その原因と解決策
  3. 通販生活の疑問 会社の健康診断はどこまで有効なのか。
  4. 3回集中連載「死刑」を考える 第2回藤井誠二さんに聞く
  5. 私は断固、この人を総理大臣に推します

 最初の自衛隊の分は賛成/反対の論者の意見を掲載し、どの意見に共感できるか、アンケートはがきで返せるようになっている。また前回のテーマは「小中学生に携帯電話を持たせることに、賛成ですか? 反対ですか?」で、そのアンケート結果が掲載されている。

 うちの近所、大森三中で携帯について生徒と話し合いをする取り組みをしている教師の方のショートインタビューも載っていた。この取り組みについては先日産経新聞でも取り上げていたのを読んだ記憶があるが、通販生活をきっかけに取材に至ったものとおもわれる。大手メディアの存在価値が薄れてきていることがこんなところからも伺い見ることができる。

 通販生活は「いいものだけをひとつ、取り上げる」というのを信条にサービスをつくっていると思われるので、大手広告主による圧力から比較的自由であろうとおもわれる。商品流通でもって費用を得て、その費用負担元である消費者のためになることを、というスタンスでカタログ雑誌をつくっているといえるのではないだろうか。

 これはコンテンツ、報道、といった形態でのビジネスのつくりかたのひとつのモデルではないかという気がする。

 ちなみに通販生活には「カタログハウスのウェブサイト」、「火曜だよ、通販生活」とふたつのECサイトがあるが(それぞれ別にログインIDが管理されているためこのたび利用しようとして苦労した。未登録の時とログインエラーの時のエラーメッセージが同じなので使いづらい)、いずれでも上記のようなコンテンツは公開していないようだ。通販生活の場合はその方が賢明なような気がする。ネットで公開するとイナゴが変に寄ってきて、本業以外で苦労することになるような気がする。