萬福寺は大田区南馬込一丁目、住宅地のなかにある古刹である。その山門を出で前の道路を挟んだ正面にあった家が昨年二〇二五年に取り壊された。萬福寺の門前は変形の五叉路になっているが、その角に位置していた場所で往年の姿はこんな様子だった。


私が馬込に来た時から人がお住まいであるような様子はこの建物からは窺えず、壁に地元の老人会の案内のような看板が出してあったり火事などの時に使うのだろうか梯子が壁に備え付けてあったりしていたもので集会所のような場所なのかとも思ったがそれにしても人の気配がなかった。
ただ、一度だけでかつ正確な年月日も記録、記憶ともしていないがご夫婦と小学生らしい
二階の戸袋が鉄製だろうか、竹のレリーフが施してあるもので味があるなといつも思ってみていた。この戸袋も廃棄されてしまったのだろうが、今あんなものを作っている業者さんがおられるのか疑問でこういう文化財とは言えない、民俗資料にはなり得るかもしれない、といったものを遺すのは難しい。
半年ほど更地になってそのままになっていたがそのうちに車が停めているのを目にするようになり、二〇二六年に入って舗装されて駐車場になった。萬福寺前に事務所を構えておられる建設会社さんが使っておられるようにみえる。元々建設会社さんの所有だったのか、この度取得されたのかは機会があれば調べておこうかぐらいに思っている。

2026年6月現在の馬込萬福寺前
馬込の失われた建物たちシリーズ