椋箚記

主に合気道とまち歩きについて

厚生労働省の優先順位とは

 たまたま身近に耳にすることがあって、髄膜炎という病気について調べていた。頭蓋骨の脳の間にある、三層の膜(軟膜、クモ膜、硬膜)に炎症が起こる病気である。主に、軟膜が炎症を起こす。

 そして、素人なりに乱暴に分類すると、炎症の原因が細菌である場合と、ウィルスである場合とがある。どちらにせよ重大な病気であることに違いないが、ウィルス性髄膜炎は病院でしっかり治療すればほとんどの場合快癒する。怖いのは細菌性髄膜炎。

 細菌性髄膜炎は化膿性髄膜炎とも呼ばれ、敗血症など他の病気を併発することが多い。死に至ったり、治癒しても後遺症が残ったりする確率が数割ある。そもそも細菌性髄膜炎にかかる確率はウィルス性に比べてずっと低いようなのだが、それでも乳児がかかることを考えると、親としては怖い病気である。

 この細菌性髄膜炎には、ワクチンがある。Hibワクチン、という。Hibとはインフルエンザ菌b型のことで、ウィルス発見前にインフルエンザの原因と目されていたためこの名があると記憶している。ご存知の通りインフルエンザの原因はウィルスであり、この菌ではないのだが、細菌性髄膜炎の原因となりうる菌である。

 うちの子供たちはこのワクチンは接種していない。接種必須となっていないためそもそも存在を知らなかった。おかげでもう細菌性髄膜炎を心配する歳ではなくなっているが、もし知っていれば接種したとおもう。

 Hibワクチンと髄膜炎について知ったのは、あるテレビ番組で「ワクチン後進国・日本」というような特集をやっていたのを見たから。つい先日だが、番組名は綺麗に忘れた。そのかわり、その番組の元ネタになったであろう記事が別にあることを見つけた。ひとつは新幹線の車内やキオスクで売っている「Wedge」の記事で、下記に引用があった。

日々のたわごと・医療問題資料館 | 「実はワクチン後進国 萎縮する行政、危機感ない国民」@Wegde 2008年12月号


 更には一昨年の日経BPでも日本が「ワクチン後進国」であることについての記事があった。

Biotechnology Japan <医療&バイオ●話題の核心>ワクチン後進国からの脱却を急げ【前編】


「Wedge」誌の記事の方はタイトルにもある通り、国民の危機感の無さも原因に挙げているが、ちゃんと理を尽くして報道し続けていたら国民の意識はあがるはずだが。そういう意味では私が見たテレビの特集番組には意義があったとおもうし、報道するに足りないことに時間を使っているとおもう。党首討論なんて質の悪いもの、放って置けばよいのだ。

 どの記事も要点は同じで

 Hibワクチンが作られて20年、WHOがHibワクチンを推奨してから10年近く経ってやっと日本では認可された

 そして

 Hibワクチンを導入していないのは、日本や北朝鮮などごく一部の国だけだった

 という問題提起からはじまっている。そして原因は大きく下記2点になるらしい。

1.ワクチンによる薬害訴訟を恐れて行政が過度な審査基準を設け、新ワクチンの認可を難しくしている
2.行政による過度な審査基準に製薬業界が意欲をなくし、ワクチン開発の設備投資を怠っている


 そんなことを知った時、成田空港で新型インフルエンザ対策の検疫にあたられている検疫官が参議院予算委員会の集中審議に参考にとして出席、厚生労働省が充分な議論や情報収集を行わずに検疫による水際対策に偏重し、結果的に現場に負担がかかり、しかも効果的に感染が防げなかった、と指摘したことが大手紙で報じられた。

「機内検疫はパフォーマンス」検疫官、参院予算委で批判 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 対比して見ると厚生労働省という組織や政治屋さんの優先順位がよく分かる。

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