2008年西成暴動の報道

 西成で起きた暴動から日が経って、youtubeに動画があがっていた(ふたつの暴動 - 椋箚記 を参照)。朝日放送の「ムーブ」での報道。

 いくら報道されていないといっても、さすがに大阪ローカル局では報道するよな。「ムーブ」などは普段でも果敢に扱いにくいようなテーマも報道するニュース番組のひとつだ。

 上記動画内で鈴木邦男さんが「これは正義の蜂起でしょう」と述べているのはすごく大きくとらえて言っているのだと感じた。たとえ便乗しているやつがいたとしても、日雇い労働者側にも問題があるとしても、おおもとにある原因は政治や行政が税金を不正に使うことを優先して、企業が利潤を掠め取ることばかりやっていて、ということなので、それがどのような経緯にせよ噴出したということだ。そういう意味で正しく捉えて発言されているといえる。

 暴動が起きている以上危険があるのだから報道するのがマスコミの仕事で、報道するほどのことではないかのような振る舞いをするのはテレビ局や新聞社がスポンサーの顔色をみていることへのごまかしでしかない。

 それよりも、暴動を起こしている日雇い労働者を異物のように論じて「同情の余地なし」というようなコメントもあるのだが、そういう現象が気になる。年収や業種、年代でもってグループ分けをしたうえでグループ間の不和を醸成していることになるが「分断し統治せよ」の意図にはまっている。今マスコミが秋葉原の通り魔事件を「アキバ系の犯行」ということにしたがっているのと同じだ。

 勝谷誠彦さんがまさに日雇い労働が派遣へと形態を変えていることに言及しているけれど、日本において立法が派遣社員の待遇を改善すべきところ対応せず、数年後に派遣と社員の間にも不和が生じているようなことにもしなっていれば、これは本当に犯罪的なことだ。

 イタリアのメディアが報じたニュース映像も上がっているが、なぜイタリアだったのだろうか。確かにローマとか、大阪と近い文化を感じるけどそういうシンパシーからではないよな。