南馬込インド・ネパール料理専門店の変遷

 馬込に住んで12年目目に入っていて、腰掛けの余所者とは言えないような長さになってきた。十年以上同じ場所にいるとまちの風景にも変遷があって、しかもそれが忘れ去られていくことに気がついたりする。以前「馬込の失われた建物」というのを書いてみたことがあったが、お店の変遷も書き残しておこうかとおもう。今回は南馬込の、東急バスが通るバス通り沿いにあるカレー店について。

 

 我が家が2015年6月に馬込に来た時にはそこには蕎麦屋があった。向かって右隣は細い路地を挟んで以前に閉店したことを書いたことがあるパティスリー稲垣、左となりは梅香堂というリフォーム店がある。蕎麦屋の名前、自分は「まつ登久とく」だったと記憶していた。「松登久」という蕎麦屋はほど近い馬込桜並木通り沿いにもあり、京急大森海岸駅近くの環七通り沿いにある蕎麦屋が「松登久 本店」が元だとおもっていた。

 

 それがこれを書いたあとに「更科」ではなかったかと教えていただいた。現在も店の前面上部に小窓のような看板がふたつ並んでいるのだが、これが一文字づつ「更」「科」だったと。私が蕎麦屋だった時を目にしていたのはわずかな期間であったので私の思い違いだった可能性が甚だ高い。と言えるほどすぐに閉店してしまい、しばらく空き店舗の状態が続いたように記憶している。

 

 居抜きで「アンナプルナ」というインド・ネパール料理の店が入った時期を正確に覚えていないが検索してみると 2008年8月に行ってみたというブログ記事を見つけた。2007年から2008年にかけての開店だったろうか。自分が行ったのは2010年だったらしいことが Twitter のログから見てとれる。

 

 そんなに頻繁ではないが時々テイクアウトで使ったりしていた。ナンが団扇のように大きいのが焼きあがって出てくる。私はチーズが好きなものでチーズなんを頼むことが多かった。

 

 

キーマカレーとチーズナン

Yasuo Mukunokiさん(@mukunokiy)がシェアした投稿 -

 

 2016年に客ではない人たちが出たり入ったりしているのを東急バスの車内から見かけたので改装でもするのかなぐらいに思っていたのだが気がついたら店の外見は全く変わっていないが店名が変わっていた。「タンセンビュー」というのが新しい店名。店名が変わってからはまだ行っていない。「アンナプルナ」は約10年南馬込で営業を続けたということになる。

 

「アンナプルナ」の経営者は東急目黒線西小山駅前で同名の食材及びスパイスの専門店をされているらしい。同じ西小山の駅前に料理店としての「アンナプルナ」もありこちらが本店だったのではないかと思われるが南馬込と同様に店名が変わり「サムエル・ダイニング」になっている。オーナーさんが現場を引退し店舗への卸に専念し、更新に店舗を渡した……とかなのかと推測する。ご店主にきいてみれば良いのだけれどご商売でないことで個人的に「取材」するのもどうかとおもって推測にとどめている。

 

 

f:id:mukunokiy0725:20170923120123j:plain

 2017年時点の「タンセンビュー」としての店容。外観は「アンナプルナ」時代とほぼ変わっていない