品格

 最近Googleのトップページにいろんな記事へのリンクがあって、つい読んでしまう。先日は、宋文洲さんが日経ビジネスのサイトに書いている文章が目を引いた→『強気を通す堀江さんから学ぶべきこと

 書かれていることの内容も含蓄があるのだけれど、目を引いたのは割りと小さなことだった。宋文洲さんが現在証券取引法違反容疑で裁判中の堀江貴文さんについて「堀江さん」と書いていたことが目についたのである。

 堀江貴文さんについては、彼が以前馬主だった馬の名前で「ホリエモン」と呼ばれることが多いように感じる。本人がそう呼んでくれとどこかで言ったり書いたりしたのか、単にそのような記号づけを誰かがうまくやったのかは分からないが、ネット上でもテレビ・新聞報道でもそのような気がする。

 宋文洲さんに「買収を繰り返してきた某カリスマ経営者について」コメントを求めたのは、稲盛和夫さんだったそうだ。その稲盛和夫さんのインタビュー記事を数ヶ月前日経ビジネスで読んだのだが、稲盛さんも「堀江貴文君は」と普通に姓名で呼んでらしたと記憶していて、今回と同様の印象を受けていた。

 私はテレビによく出ていようが、裁判の被告であろうが、名前に言及する場面があるならば、例え本人の目に触れる可能性が低くてもあだ名で呼ぶようなことはマナー違反なのではないかと思う。それはちょっとした気配りであり、そういうところに品格が出て、他人に見られてしまうのは怖いことだと考える。そういうことを、稲盛さんも宋さんも常識としてとらえておられるのだろうとおもう。

稲盛和夫の実学―経営と会計

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