学校裏から始まった2

 最近、続けて自費出版というか、なかなか手に入らない本を2冊続けて読んだ。1冊は、『猫間川をさがせ』という文章を書いているなかでコメントのやりとりをした、中九兵衛さんというかたの『勘兵衛と大和川』という本。大和川を今の大阪市と堺市の間を通る流路に付け替える工事を指揮した中勘兵衛という人物とその工事の経緯について、ご子孫である九兵衛氏がまとめた作品である。恐らく東京で手に入れようと思ったら手間だったのではなかろうか。中さんから直接送って頂くというありがたいことになってしまった。

 もう一冊は逆に、今住んでいる大田区以外では入手が難しいと思われる本で、『学校裏から始まった2』という、西村敏康さんという方の著作。大田区内ではどこの本屋さんにも置いてある。西村さんという方は『月刊おとなりさん』というタウン誌を刊行されていて、これも大田区では誰でも知っている、というものであるらしい。このタウン誌から選りすぐった、大田区内についての様々な記事をまとめたものなのだが、大田区南馬込に住んでこれを読むとなかなか面白い。例えばタイトルの「学校裏」というのは何の話かというと、羽田から品川に出る間に京急の「平和島」という駅がある。これが昔は「学校裏」駅という名前だった、という話なのである。あとは読んでのお楽しみ。私は奈良の「学園前」という駅が最寄駅の土地で育ったが、前と裏ではえらい印象が違う。でもなんか、惹かれるネーミングである。

 上記の書物はいずれも、アマゾンには出ていないようである。おそらく他のネット書店でも見つけるのは苦労するのではなかろうか。本当はこういう書物こそネットで手に入ってほしいものである。