大学アメリカンフットボールの、クラブ運営事例について

 日本大学アメリカンフットボール部が犯した危険行為について知ってから大学アメフト部について調べていたら興味を惹く記事をみつけた。中央大学アメリカンフットボール部のOBによる、クラブ運営を紹介した多羅正崇さんによる記事。自分が在籍していた大阪市立大学合気道部の廃部があったばかりだったこともあり、今となってはもう遅いながらもこんなやり方があるのだ……と参考になることが多かった。

 

news.yahoo.co.jp

 

 前月に日本大学アメリカンフットボール部による危険行為について書いて以降、アメリカンフットボール部にとどまらず日本大学の組織としての異常さを示す報道が多くなっていった。アメリカンフットボールという競技の持つ問題よりも日本大学という私立の学校法人の問題の方がずっと大きいらしいと分かってきた。

 

  ただ、様々な角度からの指摘が出るのを読んでいると、「日大の問題」だけでもないという意見もあって、スポーツのクラブ運営が日本においては全体的に未成熟であることも課題として捉える必要があるという指摘を読んだ時には中央大学ラクーンズのクラブ運営はアメリカンフットボール競技が示した良い事例になり得るのではないかと思い当たった。

 

www.huffingtonpost.jp

 

 一方で、日本の学生スポーツの場合はどうか。

「アメフト関東学生連盟のトップや審判の報酬は、ほぼゼロです。審判は休日を返上して、ボランティアでやっています。ボランティアでやっている以上、チーム側へ影響力やガバナンスが機能しているとは言えませんし、問題が起きても厳しい対応に臨むことが難しいでしょう」

 関東学生アメリカンフットボール連盟によると、理事や役員に対する報酬はなく、理事会などに参加した際の交通費だけが支給される。日本アメリカンフットボール協会によると、審判への日当も、交通費を含めて1試合数千円程度で、ほとんどが他の仕事しながらボランティアで行なっている。

 

 日本大学選手による危険行為について私は最初、審判が最初のプレーで退場処分まで行っていないことはどうなんだろうと感じた。実際、社会人リーグでプレーされている選手の方で審判の判断にかなり厳しい意見を書かれているのも読んだ。それはそれで正しい指摘なのだが、交通費の支給だけで現場に入っている審判が一発退場を命じるような毅然とした態度を取れないのは、審判の能力以前に大学アメリカンフットボールリーグの運営が審判にきちんとした権限を与えられていないと考える方が根本的な問題に迫っているのではないだろうか。

 

before11.hatenablog.com

 

  日本のスポーツにおける組織経営が未成熟なのは大学のクラブに限ったことではない。先日大学時代の先輩と会食した際に、社会人になってからされていたスポーツをやめて所属していた組織からも退会された話をうかがったのだが、退会を決めた理由は「子供達の参加する大会などを手伝うよう求められるようになってきて、純粋に楽しめなくなったから」ということだった。これが例えば指導者としての役割を担当するひとには一定の報酬があり、一般参加者と分かれているようなシステムが徹底されているならば、「無償で自分の休日を提供して奉仕しなければならないようであるならば続けられない」といったような理由で競技から離れていくひとは減るのではないだろうか。

 

 中央大学ラクーンズは、チームの母体として一般社団法人を設立する方法を採られている。私が知っているいくつかの大学合気道部や道場でも、しっかりしたところは法人といって差し支えないほどに組織化がされている。専任の師範や監督を置いている大学は寡聞にして知らないが中央大学のように本業がありつつ役職をもたせている大学合気道部はある。そこまでできているならば、一般社団法人化やNPO法人化することも出来るかもしれない。

 

 いま思えば私がOB会の規約を作って「組織」にしようとした時、そのような法人化の入り口にはいたのだがそこまでで手一杯で、実際に法人化するようなことまでには全く考えが及んでいなかった。法人化したからといって必ずうまくいくわけでもなく、野球にせよサッカーにせよ2部リーグ以下のチームの経営が大変なことについても取材記事など目にする。それでも小規模な団体ならば個人財産と法人財産の分離、つまり「持ち出し」の抑止や指導者への多少の報酬を実現するツールには成り得る。中央大学に限らず成功例がこれから増えてほしい。

 

アメリカンフットボール競技の、危険行為について

 アメリカンフットボールという競技を過去に一回だけ、現在の大阪長居公園キンチョウスタジアムになっている球技場で観たことがある。それ以降テレビも含めあまり見たことがなくルールもよくは知らない。ただこの度たまたま、アメリカンフットボールについて気になった記事をいくつかみつけたので二回に分けて書いてみたい。今回は一回目、いまニュースでもしきりに取り上げられている、日本大学関西学院大学の試合での危険行為について。

 

 最初に知ったのはスポーツフォトジャーナリストの三尾圭さんの書かれた記事で。

 

news.yahoo.co.jp

 

 これを読んだ時に最初に思い出したのが 2013年に東京都合気道連盟の指導者講習会で、脳震盪への対策についての各競技の動きをきいたことだった。競技団体として脳震盪への対策を徹底することを最初に決めたのがアメリカンフットボール、それに続いたのがラグビーだということだった。その時の文章のリンクは末尾に貼っておく。

 

 脳震盪への対策の早さについて聞いていたから、その方針に逆行する、あるいはそれ以前のレベルの反則行為が行われているのには驚いた。更には三尾さんが書かれているように、その危険行為がそんなに問題視されていないのではないか、と思われる節が感じ取れるのに違和感を感じた。

 

本来ならば、試合を現場で取材していたメディアが指摘するべき問題だが、軽く触れられた程度で問題提起はされていない。そのような危険なプレーを許していては日本のアメリカンフットボール界を滅ぼしかねないと危惧したために、アメリカ在住で、試合にも足を運んでいない私が僭越ながらも提言させて頂く。

 

 審判はアンネセサリー・ラフネス(不必要な乱暴行為)として15ヤードの反則を宣言。反則を犯した選手や日大のサイドラインに向かって、警告を発することもなかった。日大のサイドラインもこの選手をベンチに下げて、危険なプレーを注意することもなかった。

 ルール上は審判の判定は正しく、試合を主催した関東学生アメリカンフットボール連盟に電話をして確認したが、連盟としても対象選手や大学にこれ以上のペナルティーを与えるつもりはないとの回答が返ってきた。

 

 太字は引用時に筆者が付した。正直なところ審判の判断も温いといえば温いが、見過ごしはあり得ることだ。ただ事後でチェックできるはずの関東連盟が問題意識を持っていないようにみえるのは気になった。選手の身体を守る方向への転換を真っ先に取ったときいていた競技団体が、その実は有名無実の状態になっているのだろうかといぶかることとなった。

 

 関西学院大学側はどうだったかというと、二番目に読んだ記事に日刊スポーツのインタビュー記事の引用があった。アメリカンフットボールをテーマにした「RED ZONE」というサイトを運営されている本村恭平さんの書かれたもの。本村さんは WILD359ers というクラブチームに所属されていて、NFL FLAG大会の実行委員もされている。フラッグフットボールというスポーツの大会で、これはアメリカンフットボール発祥の、タックルの代わりに腰につけたフラッグを取るルールになっているスポーツ。

 

qboekendorp.hatenablog.com

 

関学大はミスにつけ込んで先制し、一発TD2本で勝利も、鳥内監督は不満が口をついた。「たまたま点が入って勝っただけや。OLはつぶれているだけ。ランにこだわっていたが話にならん」。攻撃はラン、パスとも日大を下回り、後半は無得点に口をとがらせた。序盤で先発QB奥野が日大の反則で負傷し、後半復帰も思惑が狂った。「あいつのための試合だったのに」とご機嫌ななめだった。

 

関学の鳥内監督はいろいろとあけすけに語ってくれる人ですが、よく「ご機嫌ななめ」で済んだな、というのが個人的な印象です。

 

  関西学院大学の鳥内監督は試合直後は自チームのよくなかった点について目が行っているのか、日本大学の選手の危険行為については言及されていない。その後危険行為について指弾する意見が次々と発表され、更には QB の選手の怪我が思っていた以上に酷かったことでことの重大さに気がついた……ようにもみえる。

 

 関西学院の監督の反応はさておき、関東学生連盟はこの後方針を変えて危険行為を行った選手の対外試合出場停止を発表した。この対応のブレをみていると、最初に私が感じたことが確信に変わってくる。今回の問題が日本大学アメリカンフットボール部に限ったことではなく、アメリカンフットボールの競技当事者のなかでは全体的に選手の安全への配慮がおざなりになっていたことが表出したのではないだろうか。勿論後者の方が問題点としてはずっと根が深い。

 

 救いなのはアメリカンフットボールの周囲には問題意識を持ってみている人がいて発言していることで、引用したおふたりの記事のあとに、アメリカンフットボールのデジタル専門誌「ハドルマガジン」の上村弘文さんの記事も読んだ。

 

huddlemagazine.jp

 

今回のラフプレーは、対戦相手はもちろん、競技の品格を傷つけるものだった。仮に相手に重大な負傷をおわせてしまえば、反則をした本人も深い傷を負うことになる。

闘志をはきちがえた、あまりに稚拙なプレーを見せられた落胆と怒りは多くのフットボールファンが感じている。

私もその一人である。

「周囲の期待を裏切るのは男ではない」

かつて、日大を率いた篠竹幹夫監督の教えを受けたOBの方々から教えてもらった言葉だ。 この一戦を契機に、日大が正しい必死さをフィールドで表現するチームに生まれ変わってくれることを切に願っている。

 

 このような指摘が複数あがってテレビのニュース番組も報道することとなった。そしてハドルマガジンは続けて危険行為の指示が日本大学の監督・コーチから選手にあったとの証言があると報じた。

 

huddlemagazine.jp

 

 その後の日本大学の組織としての対応のまずさについては別に書こうかとおもう。ここでは日本のアメリカンフットボールはその体質に問題をはらんでいるということ、だけれどこれだけきちんとみているひとがいて、積極的に発言する競技だということを書きたかった。柔道だとか、剣道だとか、相撲などの他の武道、あるいはサッカーだとか、ラグビーだとか、バレーボールなどのスポーツに目をやることがあるのだけれど、こと問題が発生した時に賛否両論がすぐに出てくるときと、出ないのをみることがある。もちろんさまざまな議論が出る方がよく、その点アメリカンフットボールは問題があるにせよここから良くなる余地を残している競技だと言える。

 

(以前アメリカンフットボールと、ラグビーについて書いたもの)

mukunokiyasuo.hatenablog.com

 

mukunokiyasuo.hatenablog.com

大阪市立大学合気道部の廃部について

 大阪市立大学合気道部の OB、OG の手元にはすでにお手元に郵送で、合気道部の廃部を知らせる封書が届いたかとおもう。封書では廃部となるは2018年4月の「予定」となっていたが、予定どおり廃部の手続きが済んでいる。

 

 私は3月初頭に電子メールで連絡はもらっていたが、それ以前の詳しい状況は知ってはいなかった。ただ部員がほとんど居ない状況なのは分かっているので、さて新入生勧誘が実施できるだろうか……と東京でおもっていた、というところだった。昨年の新入生勧誘の時点で既に厳しく、それでもOBが支援したり、師範にも大学での指導をお願いしたりしていたのでさらに支援に入らないと難しい状況ではあった。休部措置で済まないかな、などとぼんやり考えていたのだが甘かった。

 

  封書での連絡にもあったように廃部となると第二武道場背後の部室棟の二階の一番奥にある部室も明渡しとなった。私は東京にきてもうすぐで12年が経つがその間市大の杉本町キャンパスを訪れたのは昨年の創部五十周年記念式典も含め3回しかない。そしてどの時も武道場までしか行っておらず部室に立ち寄っていないのでもしかしたら20年ぐらいあのドアは開けていない気がする。武旗、特に故阿部醒石師範に揮毫いただいた「武産」は文化財だと私などはおもっているもので、保管いただけることになっているときいているが、ほとんどのものは破棄になる。引き取るものがある方は3月中には連絡が欲しい……と案内されていたのでおそらくもう必要なものは何らかの対処がされているはずだ。自分は何もないはずだと思っている。ふと思ったのは植芝盛平翁先生の口述を本にした『武産合気』の、著者高橋英雄氏のサイン入りを私が寄贈したのがあった。天之武産塾合気道道場に高橋氏に来ていただいたことがあり、その際に購入したものだが合気道部のものだから合気道部が無くなったなら良いかなと考え、何もしていない。

 

 本日大阪市立大学合気道部のウェブサイトの記載を変更して「かつて存在した合気道部のOB会のサイトである」と明記した。OB会は継続するし、サイトもせっかく osaka-cu-aikido.com のドメインを取ったので存続させるつもりでいる。

 

 OB会としては今年の夏、2018年7月22日(日)に合気道部の旧三商大戦五十周年を記念して稽古会と懇親会を東京で予定している。その情報についても発信していきたい。旧三商大戦については昭和42年(1967)に一橋大学神戸大学合気道部が訪れるかたちで稽古を行っていてこれ以前には合気道部としては実績がないのだが、この時に大阪市立大学合気道部初代の西岡先輩は神戸大学に同行されたことが分かっている。先輩が一回生の時のことでまだ合気道同好会(合気道部の前身)を立ち上げる前のことらしい。よってい一橋大学神戸大学大阪市立大学が揃っての旧三商大戦は合気道部としては1968年が最初になる。一番最初には大阪市立大学合気道部はまだ生まれておらず、その五十周年のときには合気道部は終わっている、というのは残念ではある。ただ五十年の間歴史を紡いだことは誇りに思いたいし、何というか、母校市大らしい出来事だと微笑ましく思えたりもする。

 

 ご存知の通り大阪府立大学大阪市立大学については市議会で2019年4月の統合議案が可決されており、大学の名前も変わりキャンパスも移転してしまう可能性がある。この統合については意味の薄い経費削減が優先されており本来の意味での大阪における学問の基盤、教育の基礎を支えることを目指してはいないと感じているので前向きにはとらえられていないのだが、それでも意味を見出すとすれば、組織は永続しなくても変化していく現実に合わせて形を変えていくことを厭わないことによって大阪市立大学で醸成された意志が研究者や学生の中で生き続けるのかを確かめる機会となれば良いのにとおもっている。

 

 合気道部については、かつての部員たちのコミュニティである以上に何かが残れば良いのだけれど。

 

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  また杉本町キャンパスを訪れることはあるだろうか。昨年訪問した時にはもうフェニックスは伐採されたあとだった。

 

首都高速湾岸線大井ジャンクションへの行き場の無い怒りについて聞いてほしい

 首都高速湾岸線を使ってお台場方面に出かけることがたまにあるのだが、帰りは中央防波堤経由で城南島を通って下道で帰ることが多い。高速道路代をケチる意味もあるのだが、大井で高速道路を下りるところがわかりづらくちょくちょく間違えることが原因として大きい。妻は私の運転能力の低さが原因だと指弾しており、全てを否定するわけではないがやはりあの箇所は分かりづらいと思う。

 

 少し前のことだが幕張まで車で出かけたことがあった。湾岸線で帰って来たのだがこの時はお台場でおりて城南島経由で……などということはせずにそのまま湾岸高速で南大井まで戻ってきた。その時にまたやらかした。南大井出口で側道に出るべきところ、誤って首都高速中央環状線への分岐に入ってしまったのだ。

 

  Google ストリートビューからスナップショットを取らせていたただくと。

 

  これが首都高中央環状線への分岐。お台場から海底トンネルを抜けてすぐである。

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  続いてすぐに現れるのが南大井出口。

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 ぱっと見これが見分けられるか……?

 

 いや南大井出口の方には逆に中央環状線からの合流があるではないかと指摘されるかもしれない。しかしここで言っているのはそういう「首都高速がいまどのようになっているのか」を知っている人の視点ではない。拡張工事を常に続けていて形を変え続けている首都高速の経路が頭には入っておらず、Google Map でカーナビゲーションも使っていないような場合にでも経路を過たずに判断できるようになっているか、ということだ。

 

 しかも首都高速中央環状線に入ってしまった場合、その先は山手トンネルにつながっている。これが何を意味するかお分かりだろうか。出口がすぐのところには無いのだ。以前は大井町、青物横丁の方におりていくルートがあったと記憶していたので油断していた。山手トンネルを悪態をつきながら、かつ家族に非難されながら走った私が高速道路をおりることができたのは初台南出口だった。

 

 繰り返す。初台南だ。あそこはまだ渋谷区かもしれないが私にとってはもう新宿まで来てしまったと同然だ。なおこの日大田区に戻ったらそのまま自動車を車検に持っていくよう予約をしており、道を間違えなければ間に合っていたはずだが新宿からだともう間に合わない。カーディーラーに電話をして「道を間違えていま新宿の下道を走っているので間に合いません」と電話をして担当者に鼻で笑われるのも私だ。

 

 そこまでされなければならないような分岐があるならばもうちょっと分かりやすく表示するべきではないのではないだろうか。このような間違いをするのが私だけであるならば我慢して黙っておこうかとおもっていたのだが、妻が近所でその話をしたところ他にも同じ間違いをしたご主人が他にもおられたと聞き、意を強くしてここに書くものである。

 

石との遭遇

(排出した結石の写真があとで出てきます。グロテスクといえばグロテスクですのでそういうの見たくない方はそっとページを閉じて下さい)

 

 昨年2017年5月に初めて尿路結石の症状が出た時に担当医師に「かなりの確率で一年以内に再発しますのでそのおつもりで」と言われていたが、その通りに再発したので顛末を書いておきたい。同じような症状の方やこれからなりそうな方の一助になれば。

 

 はじまりは2月中旬にインフルエンザB型に罹患した時だった。症状が出たのが週末であったので大田区医師会診療所に検査に行ったのだが、その際ちょっと尿意を我慢していたところ痛みが出始めた。通常の感冒であれ流行性感冒であれ、結石の排出を促すようなことがあるのかちょっと興味があるが、調べてみてもそのような関連性についての情報は得られておらず偶然かもしれない。

 

 昨年の尿路結石症後も人間ドックで水腎症を起こしてると言われたり、その後も痛みが出たりが時々あったので泌尿器科には何度か通院しており、痛みが再発した時にと処方薬を出してもらっていたのでそれを服用して凌いだ。1週間の自宅待機が過ぎてから泌尿器科に通院して診察を受けたがこの時点でも結石がみえたり潜血があったりは無く、ただ炎症反応はあったので薬を飲んで様子をみることとなった。かなり顕著な血尿があったのは一ヶ月ほど経った3月18日。今度はエコーで結石がはっきりとみつかった。

 

 もともと処方いただいていたチアトンというカプセルに加えてユリーフという錠剤も服用となった。チアトンは「運動機能亢進」の薬で尿路結石症の場合は結石の排出を促す。ユリーフ前立腺肥大症でも処方される薬で尿路の内部圧力を下げて排尿障害を改善する。

 

 ところで昨年の尿路結石症の際にはエコーでも結石はみつからず、いつ排出されたかも気がつけなかった。結石を採取して検査して結果が得られると食事上の対策が確定できるがそれも出来ず「水分を多くとってトイレにもこまめに行く」ぐらいのアドバイスしか得られなかった。今回もエコーで確認された石は途中で砕けて小さくなって出てくるのかな……と内心おもっていた。

 

 誰でもそうなのかわからないのだが、本人としては結石がどのあたりにあるのか正確に分からない。痛みが出たりするのだが本当にそこにいるのか、まだ排出まで時間がかかるのか、もうすぐ出るのか、検討がつかない。

 

 かなり著しい排尿困難を最初に感じたのは3月25日(日)。翌日は少しだけ改善されたのだが27日(火)に再び排尿が困難になった。平日である。

 

 仕事場のお手洗いに行っては戻り、行っては戻りを繰り返していたのだが何回目かに石が水圧に押されて動いたのをかなりはっきりと感じる場面があった。しかしそのあとも尿意は強いのにちゃんと出ない、痛みもある、という事態に陥った。個室のなかで(これは困ったな、どうしよう)とおもった時である。

 

 再び強い衝撃が来た。なんというか、擬音にすると「ブボッ」っとでも表現できるだろうか。で、便器のなかをふとみると見慣れないものがあった。

 

(これが尿道通って出てきた……?)

 

 大きさ的に信じられなかったが、他に考えられない。砕けないでそのまま出てきたらしい。あとで妻に「割り箸を持ち歩かせれば良かった」と言われたが仕方がない、手でそれを拾った。軽石みたいなもので、まぎれもない結石。

 

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 なお排出する時には出血は無かった。周りと癒着することもなく尿路を押し広げつつ出てきたらしい。

 

 これを泌尿器科に持って行き検査してもらったところ結石で一番多いパターン、シュウ酸カルシウムの塊であることが分かった。これをもとに食事で気をつけることをアドバイスいただいた。

 

 1776年、カール・ヴィルヘルム・シェーレによりカタバミ (oxalis) から初めて単離されたことから命名された。 命名の由来にもなったように、植物に多く含まれる。漢字の「蓚」はタデ科のスイバを意味する。タデ科(他にギシギシ、イタドリなど)、カタバミ科アカザ科(アカザ、ホウレンソウなど)の植物には水溶性シュウ酸塩(シュウ酸水素ナトリウムなど)が、サトイモ科(サトイモ、ザゼンソウマムシグサなど)には不溶性シュウ酸塩(シュウ酸カルシウムなど)が含まれる。とろろが肌に付くと痒みを生じるのは、シュウ酸カルシウムの針状結晶が肌に刺さって刺激を受ける為である。 体内で血液中のカルシウムイオンと強く結合するため毒性があり、毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。

シュウ酸 - Wikipedia

 

 腎臓でシュウ酸カルシウムが出来ないようにするための対策は、シュウ酸やカルシウムを摂取しないようにする、ではない。上記のようにシュウ酸が血液に過度に取り込まれないようにするにはどうすれば良いか、ということを考える。

 

 シュウ酸は青い葉の野菜と、あと豆に多く含まれる。これらを食べる時にカルシウムを含んでいるようなものと一緒に摂取することで胃腸内で結合してシュウ酸カルシウムにするのだそうだ。そうなると血液には取り込まれず腸でもでも吸収されず排出される。例えばこんな料理にすれば良い。

 

  • ほうれん草のおひたしにかつぶしを乗せる
  • サラダにチーズを使ったドレッシングをかける
  • コーヒーはブラックではなくミルクを入れる

 

 ……というようなことで、「和洋を問わず、昔の人は体に良い食べ方を知っていたんですよ」と医師は笑って教えてくれた。

 

 実はうちは朝は必ず家内がコーヒーを淹れてくれて、マグにもつめて持ち歩いて飲む。家内は牛乳を入れて飲むのだが、私はブラックにしてきた。これが原因のうち一番大きいように思われ、15,6年かかって石になったっぽい。あと私は朝食が納豆ご飯なことが多い。医師に伺うのを忘れたがあとで調べると煮豆や納豆はむしろカルシウムを摂取するべく勧める記述があるのを複数みつけた。やはりコーヒーの飲み方の方が良くなかった気がする。

 

 すぐにコーヒーにはミルクを入れるように変え、納豆を食べる時には煮干を齧ることにした。チーズはもともと好きなので青い野菜を採る時には食べるようにしてみよう。さて尿路結石再発までどれくらい延ばすことができるか。

 

 なお結石には尿酸結石、リン酸結石、シスチン結石といったものもあって出来てしまった結石の除去についてはともかく根本的な治療や食事上の留意点は異なってくる……らしい。あくまでも一番起きがちな例ということで読んでいただければ。

 

 

mukunokiyasuo.hatenablog.com

 

平昌オリンピックのカーリング日本代表チームが世界選手権へ出場できない件

 基本的にここでは「合気道」というカテゴリーを設定して自分が稽古している武道について書いているのだけれど、時々他の武道や競技について言及することがある。体罰のような傷害事件が報じられた時であったり、部活動における事故について言及した時であったり。オリンピックのようにテレビで非常に多くの競技の映像をみることによって何かしらを感じて書くこともある。

 

 印象深いのは、古くてすでにいったん手元のバックアップしかなくて公開はしていないがテコンドー日本代表について2004年2月に書いた一連の文章で、競技団体がふたつ存在しており団体間をオリンピック出場に向けて統一を図ろうとしなかったためアテネオリンピックに出場できないかもしれない、という問題について意見を述べたものだった。結果として競技団体の統一は間に合わなかったが、選手は個人資格で出場することが出来た。岡本依子選手について書いた文章は、結構気持ちを込めて書いたのを覚えている。

 

 このたびの平昌オリンピックの時期にちょうどインフルエンザに罹患してしまい一週間家に籠っており、NHK の動画配信をしきりに見ていた。カーリングも男女代表とも試合をみていて、女子代表の銅メダルが決定したイギリスチームの最後のショットの結果が出た際には声をあげたひとりだった。注目を集めた競技のひとつだと思うがそんな中気になる話を聞いた。男子代表のSC軽井沢クラブ、女子代表のLS北見とも今年のカーリング世界選手権には出場できない、という話だ。にわかには信じられないことだが、SC軽井沢クラブの両角夕佑選手のインタビューに出ていた。

 

 僕たちは選手なので、正直やれることは限られています。3月に世界選手権がありますが、自分たちは五輪直前にあった日本選手権に出ていないので出場できません。日本で試合をするチャンスもないですし、世界に出るチャンスもなくなってしまった。カーリング熱が高まっている一番おいしい時期に何もできないんです。

両角友佑が語るカーリング界のリアル 「今の強化方法には限界がきている」(スポーツナビ) - 平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック特集 - スポーツナビ より。公開期間が終了しているので引用のみに変更しています

 

 いうまでもないが他の競技ではオリンピック閉会後次の大会に選手たちが向かっている。スピードスケートはベラルーシで開催のワールドカップに、体調不良の小平奈緒選手以外は各選手が出場しているし、イタリアで開催の世界フィギュアスケート選手権も同様。スノーボードハーフパイプ平野歩夢選手は先日USオープンで優勝してみせたがこの大会はXゲームズと並んで世界最高峰の舞台だと聞いた。ノルディックスキーノルウェーで開催のワールドカップにジャンプなど代表選手が出場している。これが普通で、「オリンピックのあるシーズン」としてスケジュールされている。

 

 それを思うと日本カーリング協会の立てたこのシーズンのスケジュールはなんともちぐはぐで、選手のことを最優先に考えたとは思えない。カーリング競技への気持ちも疑ってしまうし、仕事のやり方としても評価し兼ねる。

 

 オリンピック後にオリンピック代表チームのメンバーで混合ダブルスを組んで特別推薦です出場と発表されたが、これも慌てて考えて苦し紛れに決めたという印象を持つ。

 

www.nikkei.com

 

 カーリングは女子代表が銅メダルを獲得したことでお祝い的な報道に終始しているが、もう少し日本カーリング協会の対応を問うような論説があっても良いのではないかと感じている。朝日新聞は昨年の夏にSC軽井沢クラブが質問状の提出を検討していることを記事にしているのだが。

 

 救いなのは日本代表チームがこれ以上この件について争わず前を向こうという態度を表していること。SC軽井沢クラブは本年度の日本選手権に出場出来ない問題について公開で日本カーリング協会宛の質問状を出していて、協会も回答を返している。納得のいく回答とは言えないものと感じるが、それでも一定の議論はしたので次に進もうということかとおもう。願わくは日本カーリング協会の方が、競技団体としてよりプロフェッショナルになりカーリングが冬のスポーツとして根付くことにならんことを。

 

男子カーリングチーム SC軽井沢クラブ 公開質問状及び回答書

男子カーリングチーム SC軽井沢クラブ 再回答書

 

 

 

大雪の日の東急バス

  1月22日の大雪の日、少し早め、16時台に退勤して、既に一部電車に影響が出ていたのだがうまいこと最寄駅の東急荏原町駅まで帰ってこれた。やれやれと思い、あとはバスで最寄りのバス停まで行けば良いと思っていたのだがそうは行かなかったのでちょっと書いておきたい。

 

 バス停についた時、前のバスが出で間もないのかまだ人が二、三人待っているだけだったのだがこれが列が伸びてもなかなか次のバスが来ない、という事態となった。ここで困ったのが、東急バスナビがダウンしたことだった。

 

 東急バスの位置情報サービスは使い勝手が良くドコモの i-mode 時代から日常的に使っている。携帯を iPhone に変えてしばらくは、i-mode 向けあるいは一般ブラウザ向けの表示が合わなかったのでしばらく使わなかった時期があったが、いつのまにかスマートフォン対応して今に至っている。この日は普段より利用者が多かったのか、東急で移動している車内で確認している時点で既にレスポンスが無くなっていた。結局サービスが復活しているのを確認したのは帰宅後、21時を回っていて、その場ではバスがどうなっているのか確認する術がなかった。

 

 結果から言うと環七通りで故障車が出るなどあったようで東急バスが環七を通るルートを全て止めていた。翌朝もまだ動いておらず、地下鉄浅草線馬込駅までしか出られなかったぐらいで、当日中はバスが来るはずもなかったということがあとで分かった。Twitter などもできる範囲でチェックしていたが、片手に傘を持ち、肩にカバンをさげているが実は間の悪いことに iPhone のバッテリーが心もとなくなっており、携帯バッテリーにつないでいたがケーブルの調子が悪く思うように充電できない、更には雪が降り続くので傘がどんどん重くなってくる……と非常に不自由な状況であったものでストレスが溜まる状態だった。

 

 30分ほど待っていったんバス待ちの行列から離れ、荏原町駅に近い方、屋根のあるところに戻ってタクシーが来ないか待ったが普段と違いなかなか来ない。仕方ないと使い捨てカイロを追加装備して、さあ歩くかと立ち上がった時にちょうどタクシーが来て乗せてもらうことが出来た。

 

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 さて、東急バスさんだが、当日早い段階で運行情報はホームページで発信、Twitter では行わないとの通知があらかじめされていた。

 

 

  限られた人員で運行するとなれば、発信方法を制限して臨むのは選択肢としてあって良いところではないかとおもう。ただ、サイトがダウンしたあともその方針を変えていない。これは反省すべき点ではなかったかとおもう。この雪だからもしかしたら運行に支障が出ているかもしれないとは当然おもうし、実際その前提で行動を変えたのだけれど、列を離れた時点で荏原町駅入り口の停留所だけで15名から20名ほどの方が待っておられた。

 

 最後にもうひとつ不満を持っているのが、私が列を離れた際に東急バスの職員と思しき男性が一人、バス停の近くの角に立っていたことだった。私も列を離れるまでそのひとが立っているのに気がつかなかったが、ただ黙って、乗客の列を気にするでもなく立っておられた。東急バスの職員の方ですか、運行状況はどうなっていますか、と聞くべきだったのだが、上記の通り私も30分待って疲弊していて、もういいやと歩き去ってしまった。サイトがダウンして運行状況が出せない、Twitter でも発信しないのであれば人力で案内することは出来なかったのだろうか。その場にいても社内情報も難しい状況で、単に餓鬼の使い的に居られただけだったのだろうか。

 

 今週また雪になるかもしれないとの予報でもあり、大変なバス運行をされたことには敬意を表するが、反省点もあったことは是非とも共有いただきたい、