安野正敏師範指導の稽古

 6月18日の日曜日、大田区合気道会の稽古を最初の1時間、子供の稽古に参加してから足立区綾瀬の東京武道館で開催の東京都合気道連盟主催の錬成大会に参加してきた。安野やすの正敏まさとし師範が指導の稽古だった。

 

 明治大学川崎市の生田に理工学部農学部のキャンパスがあり、生田キャンパスの合気道部がある。 発足時の師範は山口清吾先生で、小林保雄先生門下の明治大学合気道部とは別の部組織として運営されてきたらしい。安野師範はこの明治大学生田合気道部の出身で現在は師範を務められている。それぐらいの知識で武道館に向かった。

 

 最初に安野師範がテーマとしてあげられたのは以下の三つだったと記憶している。 

 

  1. 中心線を意識すること
  2. 気勢を示すこと
  3. 残身で普段よりしっかり沈み込むこと

 

 「きせい」は「気勢」でいいんだろうな、と思いながら伺っていた。中心線は合気道においての姿勢についての基本的な概念で、普段よりさらに技の最後に腰を落とし込むように言われたのが特徴的であった。

 

 事前に安野師範の演武を動画でみせていただくと(あ、もうそこで投げてしまわれるのか)というような技がたまにあってどうしてああなるんだろうかと考えていたのだが上記の三つをあげられるというので自分が安定していればどの時点でも技は成り立つということだろうかと考えるなどしていた。

 

 普段の稽古だと更に導いてから投げる……というところをもっと早い段階で投げてしまわれるので厳しい技のようにみえる。例えばよくある稽古ならば正面打ちを入り身して相手の背後にまで入ってから導くという動きであるところ小さく入り身するだけでそのまま相手の背後方面に腕を出して投げてしまわれる。以下は今年の全日本合気道演武大会での安野師範の入身投げ

 

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 錬成大会での稽古でもこの稽古をやっていたのだけれど技が早いこともあり、技の見た目に釣られて皆ついびしびし投げてしまう。すると安野師範はいちど稽古をとめて注意をされる。

 

「相手を投げてやろうとかそういう気持ちを持った時点で負け。無心で手刀を振り上げて無心で下ろす、それだけ」

 

 そのように仰るのを自分も意外に感じてしまった。それは自分が誤解していたので稽古で技を練るということについて安野師範はとても標準的な考えをお持ちだということが分かった。

 

 

 


Yasuno Masatoshi (安野 正敏) Shihan - 55th All Japan Aikido Demonstration 2017