椋箚記

主に合気道とまち歩きについて

遠藤征四郎師範の二人掛け

 合気道における多人数掛けの演武についてもうひとつ。やはり全日本合気道演武大会を受けての話しである。

 

 合気道について書く時に参考動画をネットで公開されているものから検索して探すのだが特定の師範のかたの演武に行きつく。植芝守央道主を見させていただくことが多いのは当然のことだが、同様に多いのが菅沼守人師範と遠藤征四郎師範のおふたりとなっている。お二方とも国内国外とを問わず尊敬を集めている師範で公開されている動画も多いためこれまた当然のことなのかもしれないが、技が変に略されたりしておらず「諸手取り呼吸法のお手本」「小手返しのお手本」「入身投のお手本」というように求めるとおふたりいずれかの演武にたどり着いたということが多い。菅沼師範も遠藤師範も昭和42年に植芝盛平翁先生の内弟子に入られたと聞いており翁先生最晩年の内弟子と言ってよい*1。その同期の師範が揃って合気道において最も高いレベルで範たる技を見せておられるというのは示唆に富んでいる。今回の全日本演武大会でも師範演武をされておりそれぞれみさせていただくことが出来た。

 

 今回遠藤征四郎師範の、特に二人掛けに特に見入ってしまった。木村二郎師範の二人掛けでも述べたことだけれど遠藤師範は二人掛けでどちらかに打たせて自分の制御下におかれてもう一人との間に置かれる。なんとかして打っていこうとしても受け同士がぶつかって勝手に転がってしまうように導く。また受け二人を同時に導いてぶつけてしまいまとめて抑えてしまう。それをなんの力みもなくされるのだ。

 


遠藤征四郎師範-第55回全日本合気道演武大会*2

 

 下の画像とかこの瞬間だけを見るとなんのことか分からないが先の受けの方が正面打ちで打ってきたのを捌いておき、あとの受けの方(右) が正面打ちで打ち込んできた瞬間に入り身をされている。ただそれだけのことだがもうひとり(手前)は苦しい体勢にあったところにもう一人がすっ飛んできたようなこととなり結局二人まとめて投げられている。投げられた、というと語弊があるかもしれない。入身が鋭かったことで受けが虚を突かれたようになり自分達の勢いで転んでしまった。遠藤師範は自然体で入身をしただけだ。

 

 最後左右の腕を諸手で持たせての抑え技をみせておられていたが丁度腕をもたせたところで演武終了を知らせる太鼓が鳴った。遠藤師範は腕を上げて受けを導かれていた。そのまま肘を落とすなどして投げて終わることも出来たはずだが、遠藤先生そこで演武を終えてしまわれた。万歳した格好のままとぼけたお顔で戻っていかれたので満場笑いが起きる。私は普段演武はぴしっと終わるのが良いと考えているが、遠藤師範の今回の演武の締め方はありだなと生意気にも思った。

 

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*1:植芝盛平翁先生は昭和44年4月26日没

*2:ちなみにこの動画で演武者紹介のアナウンスをされているのは尾崎師範

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