合気道の足技

 昨年の11月だからもう先々月の話しだが大田区合気道会の稽古で足を踏まれてしまった。相手の方がバランスを崩して踏みとどまったところに私の足があったというもの。恥ずかしい話しだが自分も油断していたかと思う。稽古後に冷やしたのでなんということもなくすぐ治ったが稽古中はちょっと当たっただけで痛かった。

 

 合気道では足さばきの稽古はあっても足での打ち突き(つまり蹴り)からの稽古というのはほとんどない。技とは違うが、私は子供達に半身を取るよう教えるのに、棒立ちになっている時に金的やお腹を蹴ろうとしてみせて「ちゃんと半身を取らないと技をする前に終わるぞ」と話すことはある。半身というのは左右どちらかの足がまっすぐ相手を向いていて、もう片方の足のかかとが前の足のかかとの真後ろにくるように構える。合気道の立ち方の基本だが、身体の中心を相手から自然に守る姿勢になるのだ。それはさておき。

 

 取り(技をかける方)としても足を使うというと一教を手で押さえるところを膝を使うことはあるかもしれないが通常はない。以前巴投げについて書いた時に植芝盛平翁先生が相手の膝を蹴って後方に投げる技を演武でされているのに言及したことがあるが、現在巴投げ的な稽古をすることはほぼ無い。

  

 下の動画の後半、養神館の昭和58年(1983)第28回総合演武大会の動画の 5:16  辺りで塩田先生は後ろからの羽交い締めに足を踏むって技をされているがこれは技というよりも私が棒立ちの相手に金的蹴りで注意するのと同じような、「おい隙があるぞ」と教えられる感じかもしれない。

 


養神館合気道、shioda gozo aikido demonstration part2 1981-1990

 

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 上の画面キャプチャが足を踏まれてる場面。背後から抱きかかえられるように拘束されているところ、振りほどくのではなくむしろ相手に身を寄せてかつ親指の方の螺旋を使ってから入る技を稽古することがあるが、ここでの塩田先生はそれと同様の理合を使っておられるかとみえる。普段するような合気道の稽古と違うのは相手に身を寄せる動きを利用して足を踏んで相手の縛を解いてしまっているところだ。

 

 ところで塩田剛三先生というと足四教をされている映像を昔みた記憶があり、そちらを探していたのだが Youtube であれこれ見させていただいたなかでは探し当てられなかった。

 

 四教というのは合気道の抑え技のひとつで、相手の手首を人差し指の付け根で抑える。私が覚えている足四教は相手の足の甲を足の親指で抑えるものだった。あれだけであんなに痛いんだろうかというぐらい受けの方が痛がっておられたことだけが印象に残っている。自分でやってみると足の甲の真ん中辺り、中指の付け根の奥を押さえると結構痛いのでここを抑えておられたのかもしれない。

 

 相手がよろけたぐらいで踏まれていたようでは塩田先生の前に出た日には何もできずに終わってしまうだろうか。そんなことを妄想しながら反省していた。

 

2017年3月31日 追記

 偶然塩田剛三先生の足四教の動画をみつけた。これを探していた…… 5:47 あたりに出てくる。

 

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