ラグビー競技の本気を感じた話
ラグビーワールドカップにおいて日本代表が南アフリカ代表に勝利したのだが、私などはその意味するところがさっぱり分かっていなかったひとりに過ぎない。優勝候補に格下たるチームが勝利したジャイアントキリングであったこと、ラグビーという競技において
ほぼラグビーには興味を持っていないといえる私なのだが2年前に下記でラグビーについて言及したことがある。
2007年までに10年間の統計においては、高校のクラブ活動における死亡事故の発生確率はラグビーが最も高かった。その5年後までにはラグビーは根本対策に踏みきたといえるとおもう。上記はその時の状況を座学において伺った時に書いたものだ。今回改めて調べるとラグビーの競技改革への対策は着実に進められていて、それは今回の成果と無関係ではないように思われる。
日本ラグビー協会のサイトを改めて参照したらこのような充実したページがあった。
特に以下の PDF は上記文章で言及した日本サッカー協会の資料と同程度、あるいはそれ以上にまとまっている。
例えばこれに比べて2007年までの中学の部活での死亡事故発生確率が最も高い柔道はどうかというと、やはり競技団体から頭部外傷について、コンプライアンスについてのガイダンスが出てはいる。
ただ参照すると感じるのだが具体的な情報が乏しい、なんかあれば報告するようにとだけ書いてある……などどうも本気が感じられない。ラグビー競技が状況改善に真剣に取り組んでいた頃柔道においては女子柔道強化選手による暴力告発問題(リンク先は Wikipedia の記事)が起きていてとてもそんなレベルには無かったはずで、ラグビー競技との対照が分かり易い。
さて振り返って合気道はというと合気会のサイトをみてもこの辺りの記述はない。2年前に書いたのは東京都合気道連盟の指導者講習会を受けて書いたもので、合気会として対策を考えているわけだからこのあたり主体的に武道団体として発言者としての態度を見せて良いのではないかとおもう。
なおラグビーに話を戻すと協会のウェブサイトには「ビジョン|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。」というページがありそこに PDF で掲示されている「JRFU戦略計画:2010-2019(2010年4月策定)」を読むと SWOT分析結果が記載されてあったり実行計画の末尾において PDCA を回すことが明記してあったりしてプロジェクトマネジメントの知識のあるスタッフが入って憲章策定をしようとしていることがうかがえる。当たり前のことのようで一般の企業でもここまでやっているところは案外ないのではないだろうか。
実のところラグビーだけではなく、球技団体はサッカー、アメリカンフットボール、バレーボールといった競技団体はどこもこのようなビジョン策定をして公開している。国際団体から国際資格停止処分を受けているバスケットボールも川淵三郎氏を協会会長に迎える前からか迎える前から「JBA2010宣言」なるものを公開してビジョン策定をしている。策定しているから良いというものでもないようで、見比べるとサッカー協会やラグビー協会の資料は出来が良いように思われる。それが結果につながっているのだろうしビジョン策定についても各競技団体がしのぎを削るようになったら良いのにともおもう。