ジャーマン通りのガソリンスタンド
JR大森駅から馬込銀座まで通っていて環七通りに抜ける道をジャーマン通りという。馬込銀座寄りにかつてドイツ学園があったことによりこのような通りの名前となっている。馬込銀座は昭和三十年代は商店街としてそれはそれは賑やかだった……というのはその時期に住んでいらしたことがあるという吉松ひろむさんに教えていただいたことがある。吉松さんは2008年に亡くなられてしまった方で茶道具の専門家であり、いくつかの小説も書かれていた方。私は吉松さんの遺稿を電子書籍にしたものについてレビューを書かせていただいたことがある。
e-book reviews Japan: 『玄界灘を越えて 青井戸』 吉松ひろむ ( Kinoppy for iOS 1.4.0 )
今の馬込銀座にはかつての賑わいはない。それでも商店街は残っていて、ジャーマン通りに沿いにも店は入れ替わりつつだがある。このジャーマン通りの真ん中あたりに1軒ガソリンスタンドがある。そのガソリンスタンドが休業しているのに先日気がついた。以前スーパーフレッシュというスーパーマーケットが入っていて今はマツモトキヨシに替わっているマンションの道向かいだ。
ジャーマン通りではドイツに因んでなのかどうかビール祭りというのがあり、その会場にいつもこのガソリンスタンドが使われていた。私はビール好きながら縁がなく、開催中に前を通ったことはあってもこのガソリンスタンドでビールを飲んだことは無い。山王石油という、昭和シェルのスタンドだが挨拶文を読むと当然ながら詳細な理由は書いていないながら下記のようにあった。
当給油所を昭和シェル株式会社に返却をし、平成二十七年四月三十日を以って閉店する事になりました
ガソリンスタンドというのは潰れてしばらく経って取り壊し……という光景もしばしば見かけるが危険物を扱う施設だから作ったり壊したりするのにもそれなりのコストがかかるような話を聞いたことがある。こういう「返却」という穏やかな終わり方もあるのだろう。
ガソリンスタンドというのは単価が店によって違うもので、実は我が家はここで給油したことは多分一回も無い。馬込というと環七通り沿いには何店かある。また臼田坂を上りきった先のバス通り沿いにこれも昭和シェルのスタンドが1軒。 バス通りのスタンドは馬込に来てすぐくらいに一度給油して高かったのでそれ以後は一度も給油したことが無い。環七通り沿いは洗車のついでにたまに。ほとんどは中原街道沿い洗足池近くにある、安いスタンドに行ってしまっている。普段の客では無いのだからビール祭りに紛れ込んだりしなくて良かったのかなとなど思っている。新たに給油所として再スタートして安いスタンドとなってくれたら給油にもビール祭りにも行くのだけれど。