さかはらあつしさんの映画のためのクラウド・ファウンディングに目を向けてもらえませんか

  定期的に参加させてもらっている、主にIT企業経営について考えよう……という勉強会の最新の集まりが先日3月3日にあり、最初から参加することができた。私は勤務先で急な対応が入ることが普通なため頻々と遅れて参加、となるのだ。

 

 今回はさかはらあつしさんをスピーカーにお招きしてお話しを伺った。

 

 さかはらあつしさんについて私も今回お話しを聴くまで詳しく存じあげなかったが神田沙也加さんが主演した短編映画『おはぎ(Bean Cake)』の製作に参加された方だときいて、その作品についてはすぐ思い出した。

 

 さかはらさんは我々の集まりに合うようなテーマで、 大前研一氏がQBハウスのような安価にサービスを提供するモデルが正しいのではないか……と指摘した(『企業参謀 』参照)のに異を唱えて新宿にある「りよう室ZANGIRI」という理容店の経営に助言し成功させたお話しをして下さった。しかしここで書いているのはそのことが主題ではない。

 

 さかはらさんは今、長編のドキュメンタリー映画を撮ろうとされている。なるべく多くの方にこの映画の撮影を援助していただきたく、クラウド・ファウンディングに応じていただけないかという思いから書いている。理由はこれから述べる。

 


オウムの真相に迫る、サリン被害者の監督によるドキュメンタリーを応援してください。 - クラウドファンディングのMotionGallery

 

 さかはらさんが話されるのを聴いて、そのマシンガンのような話しぶりに圧倒された。さかはらさんは京都のご出身で、関西のことばのイントネーションで喋られるのだが、私も阪急塚口駅前生まれの奈良学園前育ちだからそんなことには驚かない。

 

 だが「京都大学経済学部でこんな先生について学んだ」「カルフォルニア大学バークレーでMBAを取った」「カンヌ国際映画祭パルムドールをとった」……という経歴に圧倒される。学んだり、一緒に仕事をしたひとについても、聴く方はお名前を存じ上げない方が多かったが一流の方のお名前ばかりだった。ご自分でも「ほんとのことを話してるのによく法螺かと疑われる」と仰っていた。

 

  しかも話が突然飛んだりする。最終的につながるのだがその情報量が多い。それでいて時々ダジャレが混じる。バイタリティの塊のように感じた。

 

 さかはらさんがスピーカーを務めて下さったのは、いま計画されている映画の製作について紹介し、資金面で協力してほしいというおもいをお持ちだったからだった。後半は映画の話しになった。

 

 今回の映画はさかはらさん御自身も登場人物のひとりとなるドキュメンタリー。テーマはオウム真理教、ということになるかと思う。さかはらさんは地下鉄サリン事件の際にサリンが撒かれた車両に乗っておられ被害を受けておられるのだ。

 

 サリンの後遺症、ご自分のプライベートに関わる部分、映画の計画について話しをされる段になるとさかはらさんのマシンガントークは時に静まり、ことばを選び、どう話せば伝わるのだろうかと模索されている風が伺えた。「ひとの前で話すときはこんなですけど」と仰り、サリンの後遺症で体調が悪いと本当に動けない時もある、とも話された。それでもこの映画プロジェクトについては十分に計画を練っていて自分の人生を賭けるおもいがある、ということは伝わった。それはお話しを聞いた数日後に彼がツィッターにポストしたひとつのことばに凝縮されているようにおもう。

 

 

  自分も少しだけ、お金を出した。ファウンディングのページをみると目標を達成しているように見えるが、実は目標額の3倍はほしいのだ……ということだった。オウム真理教についての取材というと村上春樹さんの『アンダーグラウンド 』が想起される。実際、さかはらさんも村上さんの名前を出して話された。だが村上さんは地下鉄サリン事件の被害者に主に取材された。さかはらさんはご自分が被害者であり、そんな取材の必要はない。そして彼は、アレフ(旧オウム真理教)の信者に取材をしているのだ。ここにクリエイターとして踏み込んでいるのはさかはらさんだけではないか……それは御自身でも言っておられた。

 

 さかはらさんの試みに少しだけ、投資していただけないだろうか。

 

 

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