小手返しの抑え

  2014年7月20日(日)の全日本少年少女合気道錬成大会に子ども達を連れて参加してきた。大田区合気道会としての参加で、大田区合気道会だけで5つの道場があるので私は付き添い父兄というよりは指導員の顔をしてのお手伝いもしつつの参加。

 

 小学校1・2年、3・4年、5・6年、中学生と分かれての指導となるのだが中学生の指導だったかを観客席から眺めていて小手返しの抑えについて「二教で抑える」という説明をしておられるのを聞いて(自分の中で未整理のままやったなぁ)と思っていた。何かというと自分は「小手返しの抑え」と「二教の抑え」がそれぞれあるかのようなまとめかたをしていた。帰って動画を参照して復習している。

 

 二教というとごく簡単にまとめると「手首を極める」抑え方になる。小手返しから相手を抑える場合、短刀取りや太刀取りを前提にすると理解の助けになるが相手から武器を取り上げる形になるので手首を極める握る力を失わせる。だから「二教」を使っている、という説明になる。

 

 事後では菅沼守人師範の小手返しの説明の動画を参考にさせていただいた。冒頭で両方の極めをきちんとみせておられる。

 

 

  私は小手返しは短刀取りなどで相手から武器を取り上げる抑え方を学生時代から稽古してきていて、小手返しから通常の二教の抑えに入る、という形ではほぼ稽古をしたことがない。未整理な私が中学生への指導を見ながら(これでも良かったんだっけ)などとおもったのはそのためだ。

 

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私が学生時代以来稽古している小手返しの極め。こうして武器を取り上げる

 

 通常の二教の抑えだと両手を使って相手の腕をかかえて極めるので武器は取り上げるのではなく、取り落とさせるような形になる。

 

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二教での極め

 

 二教について振り返ると、通常は表(相手の前に入る)であれ、裏(相手の背後に入る)であれ、同じ二教の抑えの形になるが、実は私は学生時代より表は一教と同様に畳に相手の腕を置き、その状態で手首を極める抑えを稽古してきた。大田区合気道会で稽古するようになってすぐこの形で稽古しようとしてしまい直していただいて自分が通常とは違う形で稽古していたことに気がついた。最初の方の小手返しの極めは私が学生時代以来稽古していた二教の表と同じだと思えば「小手返しの抑えは二教である」という説明で良いわけだ。

 

 更に齊藤守弘先生の説明を見直したらやはり二教は表も裏も同じ抑え方をされている。自分が稽古していた二教の表は何だったんだろうか。ただし上記直していただいた時も「そういう稽古もありますが古い形です」というようなご指摘をいただいたので間違いではなくかなり早い段階で採用されなくなったかという気がする。

 


Morihiro Saito Sensei. Shomen Uchi - YouTube

 

 そこであれこれ調べたが私が稽古していた形をやっとみつけたのが養神館の「一箇条」、つまり一教の説明動画だった。冒頭の演武、塩田剛三師範だとおもうが 表を一教ではなく二教で抑えられている。

 

 

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「二箇条」の抑え。手首を極めておられる

 

 さて私が大阪市立大学合気道部で 稽古していた二教の表の抑えはどこから来たものなのだろうか。座法の一教から四教は試験でみていただくこともあるからやはり阿部醒石先生以下道場でお教えいただいていたのではないかという気がしている。

 

 また大阪市大は藤平光一師範の影響を受けている時期があったのだがそちらも古い形で入っていたかもしれない。かつてみたことのある動画を参照したら、交差持ちからの二教をどうも手首抑えてやっておられるらしい箇所があった。