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椋箚記

主に合気道とまち歩きについて

馬込甲虫記

まち

 世田谷区某所に毎年立派なカブトムシが集まる御宅があるというのをテレビで見たことがある。元々多摩川の河岸段丘に雑木林が広がっていた場所で、現在は住宅地になってしまっている場所なのだが、その御宅の庭にその雑木林が生き遺ったような形になっているのだということだった。

 多摩川に沿って世田谷区に隣接する大田区も地形的、生態的には近いものがあり、現在はほぼほぼ住宅地か工業地に姿を変えてしまっているところも近しいといえる。カブトムシもどうも自生しているところも同じらしい……というのが馬込に住んで九年程を経た私の感じているところである。

  私が住んでいる馬込近辺でも佐伯の森など樹々が残っている場所は散在しているし、一般の御宅の庭でも落ち葉を集めて積み重ねておくような場所があればそこで幼虫が育つだろうし、クヌギやナラの樹があれば成虫も集まってくる。ただ、平成23年度(2011年-2012年)に相続税制か改定され基礎控除の引き下げや最高税率の引き上げがあって以来古い家が取り壊されて2軒や3軒の小さな建売にされる例が近所でも散見され、おそらく彼らの生息場所であった庭も無くされる傾向にあるようで心配ではある。ついでに書くとさらに平成27年(2015年)1月より基礎控除の引き下げ、最高税率の引き上げが予定されており、心配は募る。

  今後も大田区でもカブトムシやクワガタムシが生き続けてほしいとおもいつつ、ここ数年我が家にやってきて私と子ども達(ほとんどは私に)飼われることとなった甲虫たちのことを書いてみようとおもう。以前書いたことがあるトウキョウヒメハンミョウや、たくさんいて子ども達に相手にされないマメコガネ、アオドウガネ、ヒゲコガネなども身近な甲虫だが今回は飼ったものについて書く。

カブトムシ

 スタートは2011年に遡る。義兄から「カブトムシのもらい手を探している」ということでうちの子ども達にと宅配便でカブトムシが送られてきたのだ。1匹づつ硝子瓶に入れられている様子から、元の飼い手の方はかなり長年カブトムシを育てておられるのだろうと推測された。ケースと成虫用のおがくずを買ってきて飼うこととした。オス2匹とメス2匹いただろうか。

 順調にいけば卵も産むだろうが、同じ血族でつがいを作っていると何代かで病気になったりする、といような話を読んだりして皮算用の心配をしていたのだが、じきにそんな心配は不要だということになった。

 野生と思われるメスがひと晩に2匹、うちのベランダに飛んできたのである。

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一度ケースのおがくずから全部掘り出して引数を確認した時の写真。このうちのメス2匹が野生のメスである。

 

 丁度メスが1匹死んでしまい、葬った直後の2011年7月23日のことだった。夜家族が寝たあとPCで何か書きものをしていたのだが、ベランダでぶーんと派手な羽音がしたので網戸を見ると、メスが止まっていた。もしかしてケースから逃げたのかと思ったのだがちゃんと締まっているし、不思議に思いながらとっ捕まえてケースに入れてしまった。

 更にまたしばらくするとぶーんと羽音がするのでベランダに出ると、今度は床をメスが這っている。やっぱり逃げているだろうか……と捕まえてまたケースに入れた。後日確認してみたら間違いなくメスが2匹増えていた。

 昼はベランダに陽が差して暑くなるのでケースを部屋の中に入れていたのだが、夜はベランダに出していた。餌のゼリーの匂いか、仲間の匂いか、いずれかに惹かれたのだろうか。

  結局計4匹のメスが我が家のケースで生きたので、2011年は20個ほどの卵を採卵できた。

 この年はもうひとつ、印象に残っていることがあった。最初に死んでしまったメスなのだが、昼間見ていた家内によると「オスの片方が、弱っているメスを角で突いたりしてかわいそう」という。どうも攻撃的なオスだったようなのだが、そのオスが死んだ時のこと。通常死ぬ時は土の上に出てきているのだが、何故か目を話しているすきに土の中に潜ってしまっていた。葬ろうと掘り返してみると、ちょっとぞっとしたことに、オスの死骸が頭がもげた状態で土に引きずり込まれていた。きっと他のメス達に仕返しされたんだろうな、と感じた。

 翌2012年はよそにさし上げた蛹や成虫もあったが、それでも多くの成虫が羽化できた。

 オスは1匹が羽化してすぐに死んでしまったが、2匹が無事羽化できた。1匹は中の羽がうまく乾かなかったようでおしりのところにぶらさげていたり、もう1匹は角が著しく曲がっていたりしたが。角が曲がっているのは「まがった君」と我が家で呼ばれており、性格もちょっとひねくれているように見えたのが面白かった。

メスたちの餌争奪を尻目にひとりで追加した餌を喰らうオス、愛称曲がった君

 餌を独り占めしているまがった君

 

 今年もこれだけでは終わらなかった。ベランダに野生のオスが飛んできたのである。2012年の8月14日の夜のことだった。立派な角を誇るオスで、ベランダを這っているところを私に捕捉された。彼は「まれびと君」と呼ばれていた。

久しぶりに8匹全員上に出てきてるの見たのでゼリー4カップに奮発

珍しく全匹土の上に出てきていたときのスナップ。

 

 まれびと君は1ヶ月もケースに居なかった。あまりに逃げようとするので、8月26日の夜にケースのふたをあけて眺めていたら、自力で網戸まで飛び出し、そして夜の闇に飛んでいってしまった。新しい血脈は残してくれたとおもっている。

カブトムシのまれびと君がケースの中で久しぶりに飛ぼうとして、餌を入れてもやめない。蓋を開けて眺めていたら何度か失敗したあとついに網戸に。今ついにベランダから飛び出した

 自力で逃げ出そうとしているまれびと君の勇姿

 

 ただ、翌2013年、つまり今年はうちのケースからは1匹のカブトムシしか羽化できなかった。採卵をせず、腐葉土のままで幼虫を育ててみたところ途中で死んでしまったようで、1匹しか残らなかった。だからどの血脈が残っているかはわからない。メスが1匹無事土の上に出てきた。

カブトムシは小柄な雌でした!

羽化した直後の2013年のメス。

 

 我が家のカブトムシも3年で終わりか……などと考えていたらそんなことはなかった。まず、我が家が通っている合気道の道場で、師範が子供達にとカブトムシを持ってきて下さった。更にその直後、2013年の7月25日(私の誕生日だ)にマンションの管理人さんが次男を呼び止めて「庭にカブトムシがいたけど飼うかい?」と言って下さった。3年連続で野生のカブトムシが我が家のケースに来たことになる。かくして今年はオス2匹、メス2匹がうちのケースで生きた。現在幼虫3匹を別ケースで育てている。卵はひとつだけ採卵できたが、どうも孵化できたか怪しい。

 

コクワガタ

 コクワガタはうちに2回来た。

 最初は 2011年8月23日。ベランダでひっくり返っているのを妻が見つけた。べつに死んではおらず、気絶しているような状態であったらしい。長男がつかまえてケースに移してみると動き出した。このコクワガタはご近所でご一家生き物が好きな御宅の坊やがほしいというのでお譲りすることとした。

 ところがコクワガタをお譲りした直後の2011年8月29日のこと。その日小学校三年生だった長男がカブトムシのケースをスコップで掘っていたところ、幼虫を1匹ひっかけてしまったようでその幼虫は死んでしまった。かわいそうだがと表に埋めて帰る途中マンションの外廊下でまたコクワガタがひっくり返っているのを今度は次男がみつけてつかまえた。やはり生きていて、今度はうちでカブトムシの幼虫と一緒のケースで飼うことにした。

 クワガタムシは越冬したりするが、コクワ君(こう呼んでいた)も寒くなるにつれ土に潜るようになっていった。途中、カブトムシの幼虫のために腐葉土を替える時は起こしてしまうこととなったが、無事に冬を越してしまった。

 そして我が家でたくさんのカブトムシの羽化に成功した2012年、ひと世代若いカブトムシたちと狭いケースで過ごした。

コクワガタはそれなりに元気を取り戻したようで食事もしている

 

写真撮り損ねたけどコクワガタ君がカブトムシ達と餌を巡って激しくバトルしているのを見て黙って餌をもうひとつ増やしましたとさ

まがった君とこくわ君

 

 2012年に不思議だったのが、こくわ君とカブトムシのメスのうちの1匹が仲が良いように見えたことだった。同じゼリーを争っているのを何度かみかけた。かといってずっと喧嘩しているのではなく、餌を食べて居ない時にも近くにいたりする。

 こくわ君にはつがいとなるメスを与えることはできなかった。実はオスが続けて2匹くるだいぶ前に、私はコクワガタのメスらしいのをマンションの廊下で見ていたのだが、メスだけ単独で飼うのもな……と思い逃してしまっていた。その点彼には申し訳ない気持ちもあった。やはり虫といっても「仲間」が必要なのかもしれない。

 仲が良かったメスが昇天した時も、こくわ君はその死骸の近くにじっとうずくまっていた。1匹でいるときは、私がケースを覗いただけで隠れてしまうぐらい神経質であったのに。

カブトムシ、残ったメス2匹のうち1匹が昇天。そして最後に残ったメスは逃げようとしていた子だと思うのだが、何故かコクワ君がよく側にいる。種を超えた愛情が芽生えてるの……か……?

 2012年11月3日の朝、コクワガタ君が絶命しているのをみつけた。実に1年と2ヶ月以上、我が家で生きていた。

コクワガタ君 ついに昇天 昨年の8月29日に子ども達が捕まえてきてから一年以上うちのケースで生きてきた おはようございます

 

 

ヒメオオクワガタ

  先に日本各地に水害や風害をもたらした台風18号が来た連休の最終日、2013年9月16日にマンションの管理人室からインターフォンで連絡があった。管理人さんが「お子さんたちはいるかい」と仰る。実はこの日嵐のなか、友達と横浜であったマンモス展の最終日に行っており留守だったのだが「管理人室からみえるとこにカブトムシがいるからお子さんにどうかとおもって」とのことなので父親がケースを持って見に行った。

 みると嵐を避けるように半分屋内になっているマンションの壁にいたのはクワガタムシのメスだった。つかまえてカブトムシが去ったあとのケースにお入り頂いた。

 3センチ以上あるおおきさなのでヒラタクワガタミヤマクワガタかヒメオオクワガタではないかとおもっているのだが、どうだろうか。最初は警戒しているのか餌にも口をつけなかったのだが、徐々に慣れてきたか食べるようになってきている。やはり冬を越すだろうか。

クワガタのメスは食欲旺盛。カブトムシ達より食べ様がキタナイ気がする^^; ヒメオオクワガタかなぁ

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