椋箚記

主に合気道とまち歩きについて

ぼくの北杜夫著作遍歴

 朝がた北杜夫さんの訃報に接した。衷心よりお悔やみ申し上げる。

 私は自分の小遣いで初めて購入した本が新潮文庫の『どくろるマンボウ航海記』だった、というのが読書遍歴の最初にある人間で、その後も氏のエッセイの、小説の文体に多大な影響を受けていまも文章を書いていたりするので私淑している、という気持ちでいるので悼む気持ちを強く感じた。

 という寂寞な気持ちに浸るよりも、Twitter のタイムラインで、Facebook のフィードで、はてなブックマークのコメントで、私と同じように北杜夫作品に触れ耽読したという告白と弔意に数多く出遭い、こんなに同じような体験をしているひとがいるのかという驚きの方が大きかった。

 自分もどれくらい北杜夫作品を読んだのか振り返って、何を読み返すべきかのまとめにしておく。アフィ付きはご容赦。

 思えば辻邦生、埴生雄高、阿川弘之といった方々の作品は北杜夫さんの著作から興味を持って読んだ気がする。不思議なことに一番よく出てくる遠藤周作さんは全く読んでいない。

『どくとるマンボウ途中下車』

どくとるマンボウ途中下車 (中公文庫)

どくとるマンボウ途中下車 (中公文庫)

 このエッセイの単行本が奈良は学園前にあった実家の本棚にあり、小学生のころよく読んでいた。

 この本が私のエッセイ好き、紀行文好きの根源はここにあるのかもしれない。

『どくとるマンボウ航海記』

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)

 上述の通り、自分の小遣いで時初めて新潮文庫のを小遣いで購入した。240円。小学校6年生だったのだろうか。30数年前の、西登美ヶ丘1丁目バス停近くにあるサン書房でのことだ。今は420円するのか……。

 これも紀行文なのだよな。それも大人の。娼館の話とか入っていて。

 ミラノで上陸している間に船が動いてしまい、きっと船に戻れないだろうと皆を心配させたところに帰船して、「ミヤゲがあるはずでしょう? ドクター!」と怒られるシーンとアタオコロイノナが忘れられない。

『どくとるマンボウ昆虫記』

どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)

 手元に残っているのは新潮文庫でなく角川文庫版。これも多大な影響を受けていて、何か一冊、と思った時にはこれが思い浮かんだ。

ホメロスの蝶』というフリードリッヒ・シュナックという作家の作品の挿話、スペインはサラマンカの酒場で「天の蛾」の詩を残した老人の話がごっちゃになって頭のなかにあった。

 ハナカミキリの蒐集家の喧嘩の話とか、コオロギの早鳴かせ合戦の話とかが今読んでもとても面白い。

『どくとるマンボウ青春記』

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

 中公文庫版を持っていた。

 大学受験の際に東北大学を受験して受からなかったのだが、今考えるとこの作品の影響があったのかも。

 父親斎藤茂吉との葛藤とか。

「恋人よ この世に物理学とかいふものがあるのは うみのやうにも そらのやうにも かなしいことだ」で始まる詩を答案に書いた話とか。この答案は先生が残されていて、後年テレビで松本高校OBが集まった番組で実物の映像を見た記憶がある。

『どくとるマンボウ追想記』

どくとるマンボウ追想記 (中公文庫 A 4-8)

どくとるマンボウ追想記 (中公文庫 A 4-8)

 僕の古き東京へのイメージは主にこの作品で出来ている。

 避暑地強羅のイメージもこの作品と『楡家の人々』で出来ている。

『少年』

少年 (中公文庫 A 4-6)

少年 (中公文庫 A 4-6)

『牧神の午後』も収録されていた気がする。どちらもとても好きだったがどこに行ったのだろう。

『幽霊』

幽霊―或る幼年と青春の物語 (新潮文庫)

幽霊―或る幼年と青春の物語 (新潮文庫)

 これも同じ時期に読んだがあまり記憶に残っていない。

 太宰治の文体に酷似した初期の作品もここら辺に収録されていたかなぁ。

『夜と霧の隅で』

夜と霧の隅で (新潮文庫)

夜と霧の隅で (新潮文庫)

 この作品自体じゃなくて、『航海記』だったかでドイツの病院で患者がユダヤ人と分かったとたんに医師も看護師も皆冷淡な態度になって、その場に居た日本人医師が理解できなかった、という話が残っている。

『楡家の人々』

楡家の人びと (上巻) (新潮文庫)

楡家の人びと (上巻) (新潮文庫)


楡家の人びと (下巻) (新潮文庫)

楡家の人びと (下巻) (新潮文庫)

 これ、新潮文庫で読んだはずだがどこにやったのだろう。

『星のない街路』

星のない街路 (新潮文庫 き 4-11)

星のない街路 (新潮文庫 き 4-11)

 この短篇集だったかな。写真1枚からイメージして書いた、と言われていたのは。

『ぼくのおじさん』

ぼくのおじさん (旺文社ジュニア図書館)

ぼくのおじさん (旺文社ジュニア図書館)

 これ、ハードカバーがあったとおもうけど買った記憶はない。なぜあったのだろう。好きだった。

このあたりで

 はてなダイヤリーが反応鈍くなってきたのでこの辺で。

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