勝沼でぶどう狩り

 うちの子供たちは葡萄に目が無い。苺も同様だが、秋の果物だと葡萄への食いつきが一番良いようで。

 家内の提案から、ぶどう狩りに行ってみようとおもったが、関東近辺ではどの辺りがよろしいのか関西人一家はさっぱり検討がつかない。

 なんとなく Twitter でぶどう狩りの場所を教えてもらえないか post したところ、「勝沼町は如何」というリアクションを頂いた。こういう風に返してもらうと嬉しい。

Twitter / Dagwood: @Mukunokiy おはようございます。葡萄狩でし ...

 この情報のみで、先月9月20日に山梨県甲州市勝沼町に家族で行って来た。

大々園

 まだ空が白んでいるくらいの時間に起きて、家内がおにぎりを作って朝食は自動車の中で食べる感じで家を出て環七を北上して行った。中央道に乗る道を間違えて下道をしばらく行く珍道中になるのだが、それはおいといて。

 教えて頂いた大々園は勝沼I.C.を下りて、県道を左に行ってすぐのところにあった。丁度開園した8時直前に着いた。

 戸惑ったのだが、特にぶどう狩りの手順などについて何の説明もない。いきなりご主人が客を引き連れて園を廻り始めたので、はさみと籠をお借りしてのこのこ着いていった。

 回りながら理解していったのだが、品種ごとにご主人が一粒づつ、試食させてくれる。気に入ったら各家族ははさみて刈って籠に入れる。刈った分だけ最後に計量して払う、というシステムであるらしい。それを知って家内は地道に悪い部分はカットして外して行った。

 既に9月後半だから、食べられなさそうな房も結構ある。更にご主人が言うには、この猛暑のせいか「葡萄園としては悪夢のような年」という不作なのだという。ぱっと見たところ見渡す限り豊かに葡萄が実っているように見えるのだが、作り手から見ればかなりの苦心を強いられた年だったのだろう。

 試食にもらった葡萄は「皮ごと食べてね」と言われる。「果物は皮がうまいんだから」。大々園は低農薬を標榜してやっておられるので、皮ごと食べても安心、かつ美味しいというのが誇りであるようだった。また「果物はね、種がある方が美味しいんだよ」ということで、種の無い品種が結構あったのだが、種があるのを粒ごと皮ごとまず口に放り込んで、種は適宜出せば良いというのが一番おいしく頂けるやり方であるらしく、実際ずっとそうやって試食しながら刈って行った。

 実のところ家内は巨峰とかオーソドックスな、赤い色の葡萄があれば良かったようだが、ご主人が「うちに来たらこれは食べないとね」と言われていたのが確か「カッタクルガン」という品種だったと思うが、これは緑色の粒だった。赤い品種と緑の品種半々くらいだろうか、全部で5000円ちょっとだった。

大雅園

 この時点でまだ9時台くらいだったのだが、このまま帰るのもどうかとおもってちょっと自動車で走って来た。

 葡萄園はまだあちこちにある。そしてびっくりしたのが、ここは雛祭りや端午の節句の前の松屋町筋かい、というくらい客引きが熾烈であること。大々園は何の客引きもやっていなかったが、女性が2人くらい駐車場の前に立っていて(どうぞ〜)という身振りをするのだ。ちょっとげんなりしたが、今が稼ぎどりなのだろう。

 しばらく走って、そういう感じではない葡萄園で、ワインを置いている店舗もあるところがあったので立ち寄った。「大雅園」という店(葡萄園)だった。

山梨 ぶどう 勝沼 ぶどう狩り 勝沼産 ワイン販売 山梨県甲州市勝沼「甲進社 大雅園」

 お店の女性にどのワインがお勧めですか、と聞くと「これです!」と自信を持って一升瓶に入ったワインを勧められたので意外におもった。一升瓶のワインってちょっと美味しくなさそうなイメージ。

 お店の方曰く、以前は日本産のワインはあまりおいしくない、という時代もあったのだが既に過去のことで、年々醸造のうでは向上しており、日本から海外に輸出するということが行われるまでになっているのだという。そしてこの岩崎醸造株式会社の「本醸ワイン」はその技術を持って地元の方が普段飲みすることを目的としてつくっているものだという。これの赤を買って帰った。確か千三百幾らだったか。ちなみに葡萄ジュースも買ったのだが、なぜかこちらの方がちょっとだけ値段が高かった。

 これは帰宅して早速あけたが、確かに飲みやすい。遠慮なく飲めるのがよろしい。最近酒売り場でもこのサイズのペットボトルワインを売ったりしているが、これを知ったら余程おいしいと勧められない限り手が伸びない気がした。

ワイングラス館とパンやさん

 また自動車を走らせて、こんどは「葡萄工房 ワイングラス館」というのがあって寄って行った。

 結果としてグラスを一対、お客さんが来た時にも使えるようにと買った。

 その前に、同じ敷地に「パン工房 いしがま」というのがあって、我が家はそちらに先に喰いついた。おにぎりと、ぶどうだけでおなかがすいていたらしい。

 店の横に石釜が焚かれているのが見えるのだが、パンの種類がプレーンとぶどうパンの二種類しかない。それも両手に載る結構大きいサイズ。

 お客さんはもっと多くの種類のパンがあるのを期待して店をのぞくらしいのだが、その大きさに(ちょっとちがうな)となるらしく素通りしてしまうのだが、我が家が飢えていたので迷わずプレーンを買って、店の前で分け合って平らげてしまった。何か店のサクラかという感じだったが、我が家としては日常茶飯事。

 このあともかなり人が集まっている感じの葡萄園(たぶん「朝日園」ってとこだと思う)があったり、スーパーマーケットのいちやまマートに寄ったら先日B級グルメグランプリで優勝した鳥もつ煮が既に売り出し体制が整っていたり、帰りに大渋滞に巻き込まれたり、私がおなかを壊して大騒ぎをしたりいろいろあったのだが、これくらいで。