東京都議選の意義

 この夏に東京都議選が予定されていて、既に候補予定者も各党から出揃っている。

 都議選は4年ごとの改選時期が来たから行われるので意義もへったくれもないが、おそらく都議選のあとに(同時に行われる可能性もあるが、なさそうにおもえる)衆議院議員選挙が行われるので、「国政選挙に大きな影響を与える」という書き方、捉え方をされている場合が多々あるように見える。

 実際立候補する側、とくに政党側から見ればそうだし、国政選挙となればその結果は日本に住んでいるひとには普く影響するのだから正しいと言えるかとおもう。

 ただ、ゆきがかかり上東京都民になってしまった地方出身者として思うには、やはり東京の地のための選挙になってほしいと思う。

 普段生活していて、東京、例えば今住んでいる大田区の市民サービスはそれなりに高い水準になっていると感じている。

 例えば昨年うちでは子供が二人とも入院するという事件が発生したが、病院についての費用はほとんど公的に負担された。大田区としては東邦大学医療センターがあり、常にとは限らないが夜間緊急診療にも応じてもらえ、子供ばかりは私もお世話になったことがある(隣の品川区なら昭和大付属病院がある)。

 一方で、家賃や食費、その他あらゆるものが高い。そしてその物価レベルに耐えられなければ生活が維持できなくなる。普段通勤をしていて、自分が関わる路線だけでも人身事故による電車の運行見送りや遅れが日常的にある。人身事故、というのはほぼ自殺を指していると理解しているが、一般的に自殺の理由は「健康問題」が過半を占めていてそのほとんどが鬱病を指すのだろうとおもう。その次が「経済・生活問題」で、増えているのだと聞いた。

平成20年版 自殺対策白書[概要]


 私が乗っている電車を止めている自殺にも、経済的な理由でやってしまう例が3割前後は含まれているはずで、もしかしたら顕著に増えているのかもしれない。実際にまちを見てみても、閉める店、閉まったままの店が多々あり、そういう店主がやりなおしたり、店に新たな店主が入ったりするような循環が起こりにくい状況なのかもしれないとおもう。

 何度でもやり直しができるのならば自殺は思いとどまれるのではないかとおもうし、そういうふうに日本という国がなっていないとはよく言われることだ。

 しかるに東京都議会自体にもまだ突出した特権がある、という指摘があるらしい。

livedoor ニュース - 最悪な議員特権大賞は「東京都議会」に決定!


「月額60万円の政務調査費(領収書の提出不要)」などというのは氷山の一角であり(議員定数127名だから7,620万円/月、9億1,440万円となるのでこれだけでも看過し難いのはもちろんだが)、新銀行東京、オリンピック招致、築地市場移転などお金が動く、しかも無駄になりかねない事業があり、そういう問題を解決していくようなメンバーを選出するために選挙をする、という明確な目的意識を持って望みたいものだ……とおもう。

 選挙について私が書くとき、いつも「投票率が7割5分以上でないと、まともな結果は望めない」ということを書いている。前回(4年前)の東京都議選の投票率は43.99%と5割を切っていたらしい。その結果として、上記の政務調査費のような出費が続けられている、という言い方もできるかとおもう。

 先の鹿児島の阿久根市の市長選ように、8割以上の投票率でも首長と議会が対立し続け、住民の間でも対立は深まり、というのもよろしくないとはおもう。投票率が高ければ良いというものでもないという一例なのだろうが、住民の間で対立が起きるなどというのは地方ならではの現象であるように思われ、都市においては高い投票率がほしいと今回もおもう。


ザ・選挙 -選挙情報-(立候補予定者リスト。janjanより)

大田区選挙区

 いくつかの情報を寄せ集めて、住んでいる大田区の立候補予定者のリストを作っておいた。半分自分のため。


・大田区選挙区 定数8名、立候補14名

  1. 鈴木 晶雅  自民  50 現職(2期)
  2. 神林 茂   自民  56 現職(1期)
  3. 鈴木 章浩  自民  46 現職(1期)
  4. 名取 憲彦  民主  67 現職(5期)
  5. 岡崎 幸夫  民主  56 現職(1期)
  6. 柳ヶ瀬 裕文 民主  34 新人(大田区議会議員
  7. 田中 健   民主  31 新人(大田区議会議員
  8. 藤井 一   公明  55 現職(4期)
  9. 遠藤 守   公明  42 現職(1期)
  10. 可知 佳代子 共産  60 現職(3期)
  11. 黒沼 良光  共産  60 新人(大田区議会議員
  12. 矢野 敦子  社民  41 新人(社民党大田総支部副代表)
  13. 金子 富夫  無所属 58 新人(災害研究家←元東京消防庁在籍、退職後自民党から区議当選歴あり)
  14. 須藤 英児  無所属 39 新人(小売業従業員←山王小卒、大森第三中卒、和菓子の「虎屋」を退職し政治家を志す、だそうです)

選挙が始まってみたところ

 2009年7月7日加筆。こんなかんじに選挙ポスターが貼られている。