長音の表現

 昨年のエントリーなのだが、今回初めて読んで知ったので。

柳瀬尚紀を読んでからニヤニヤしている国語学者(とその追従者たち)を見るととてもげんなりさせられる - ハックルベリーに会いに行く


 SEとして給料をもらって来年で20年経ってしまうのだが、設計書やドキュメントの表記上カタカナ語の末尾が長音の言葉は「ー」を省略するのが正しい、と言われていた。例えば「エディタ」とか「プリンタ」とか。

 PCの性能制限に由来する「ルール」だったのだな。確かにコボラーになったばかりのころ、項目定義名をいかに短くするかとか、いかにルーチンを共通化するかとか(これはソースの美しさからはどの言語でも今でも活きているルールだと思うが)うるさく言っていたが、それと同じ発想からのルールだと、知らずに使っていた。その表記が自然かとか、美しいかとかいうのとは別に、知らずにそうしていた、というのがちょっと恥ずかしい。

 既にマイクロソフトがルール変更を宣言しているから、追従して(マイクロソフトに追従するってのは嫌な感じだけど)現場でも考えないといけないかも、と遅ればせながら認識した。一人だけ変える、という訳にいかず、狭くともチーム、広くは部署ないし事業部単位で変えないといけないことかと思うので、ネゴシエーションが必要。

 ちなみに日本語は変わるもの……ということへの肯定は更に以前、平野啓一郎さんが書かれていたことがあった。私はこれを読んで平野さんが書かれた内容以上に、文章の読みやすさへの印象が深かったので、とてもよく覚えている。

「普通においしい」 - 平野啓一郎公式ブログ


 さて、自分がもの書きとして今まで書いていたものは、どうだったんだろう。確か作業している時との違いを意識して書いたはずだが、とおもい『猫間川をさがせ』や『息長川ノート』をざっとチェックしてみたが、変な書き方はしていないようだ。ちょっとだけ、安心した。