『文芸春秋』数ページの価値

 伊丹空港の、検査場に入った搭乗口前にある売店で『文芸春秋』を購入した。780円だったか。村上春樹さんが、先日のエルサレム賞受賞スピーチについて語っている文章が掲載されているので、値段に躊躇しながらも購入した。

 新聞だけでなく、雑誌も購入しなくなって久しい。読むに値する記事が少なくなったということもあるし、無駄な出費は出来る限り控えようという意識のせいでもある。

 実際機内でひととおり読んだのだが、村上春樹さんの文章(ことば)以外では、塩野七生さんが小沢一郎氏に宛てたという体裁の文章を書かれていたのを面白く感じたくらいだった。この2点のために780円払った、ということになるがこれは買わなければならなかったものだと感じた。帰宅して、村上春樹さん部分のページだけを切り取り、あとは廃品回収に回す袋に置く。

 私が雑誌を購入しなくなって、と感じるのは別段個人的な感想ではなく、実際廃刊に追い込まれる雑誌が多く、文芸春秋から出されている雑誌でも『諸君!』というのが最近廃刊になったと聞いた。

 雑誌というのは多分、ブログ形式の文章に取って代わられていく方向なのだろうとおもう。といって「GIGAZINE」さんも実は赤字で、なんて下りを先日読んだばかりだが。