十三で飲む

 関西に出張するときはいつもANAを使っていて、帰りは一番遅い便をとっておく。早く終わったら、便を変更して帰っている。

 今日は神戸での用事が終わってi-modeで便の変更をしようとしたら19時の便がいっぱいで変更できなかった。18時の便は空いていたが間に合わない。かくして最後の便まで時間があり、夕食をとってかえることにした。

 阪急での移動だったので、久しぶりに十三(じゅうそう)で降りてみた。


 奈良の実家を出て最初に住んだのが三国駅ちかく、国道176号線の菰江の交差点付近のワンルームマンションだった。今は交差点の反対側には巨大なミドリ電化が出来てだいぶ景色が変わってしまった。

 十三は三国の隣駅で、通勤時の乗り換え駅でもあったのでよく降りて、ひとりでご飯を食べて帰ったりしたものだった。

 また、 十三といえばいつも新之介さんの「十三のいま昔を歩こう」を読んでいる。写真を豊富にアップされていて、なんだか長く行っていない場所のような気がしなかったりする。

見返りトミー - 十三のいま昔を歩こう


 三国時代に私がよく行ったのは、駅を出てすぐのしょんべん横丁だった。駅のホーム沿いの路地に中華料理屋があって、そこでよく食べていた気がするが、それらしい店は無かった。もう1本隣の通りには一軒あったが、どうもそこではないような気がする。十五年以上前のことだから、そりゃ店も入れ替わる。なにしろぐるりと歩いていたら、横丁に似つかわしくないいわゆる「ガールズバー」らしき店もあった。


 夕方の駅前は人通りも多く、活気があるように見えたが、しょんべん横丁も駅の改札から離れるほど客足が少ないように見えて、時間が経ったら駅に近い店に入れなかった客が流れてくるのかもしれないが、不景気をふっとばすまで元気で仕様がないわけではないように見えた。

 私はといえば、駅に近くて18時過ぎに既に満席状態だった大衆酒場「十三屋」に入って、ビールと日本酒、どて焼きとししゃもだけの夕食を済ませた。周りが全部大阪弁というシチュエーションで飲むのは久しぶり。心地よかった。


 駅を背にしてしょんべん横丁と反対側(左側)は波平通りというらしい。「サザエさん」の波平さんが鉄腕アトムに扮した感じのキャラクターが看板になって飾ってあった。私はこちらもしょんべん横丁だと思い込んでいたが、違うらしい。

 このキャラクター、具体的にデザインされた方の名前まで挙げた文章をみつけたが、本当かどうか定かでないので言及しないでおく。それにしても財団法人長谷川町子美術館手塚プロ双方から訴えられないのだろうか。十三のまちでしか見られないから看過されているのか、そもそもご存知ないのかよく分からない。特に長谷川町子美術館の方は知ったら放置されないのではないかという気がする。

「大阪プチばなな」といい、大阪のいい加減さというか…… でもその変な自由さが大阪なんだよな。