ふたつの注目

 偶然なのだろうと思っているのだけれど、全く違う印象で日本の人の発言と態度が注目を浴びうる事態がおきている。

 ひとりは村上春樹氏、作家として。

 ひとりは中川昭一氏、政治家(私はよく、田中芳樹氏が『創龍伝』でつかった表現をパクって政治屋と書く)として。

 できれば前者がより多くのひとに届き、後者がスルーされてほしいとおもうのだが、どうだろう。

 村上春樹氏がイスラエル賞受賞時に行ったスピーチの内容は、イスラエルの「HAARETZ紙」のサイトに英語のまま起こしたと思われるものが掲載されている。増田に日本語訳が公開されていてありがたい。

Always on the side of the egg - Haaretz - Israel News

村上春樹: 常に卵の側に


 抄録の訳は下記にあり、増田の版と見比べると参考になる。スピーチの動画がそもそもないのか探してみたが、日本のニュースが一部を流しているのしか見つけられなかった。そのうち消されるだろうが、リンクしておく。 

びじうのログ:村上春樹 受賞スピーチの翻訳

 村上氏のスピーチと行動には、少なくとも日本語圏においては多くの賞賛と、少数だが辛辣な批判が集まっているという印象。私は、スピーチでも述べられているように、村上さんが物凄く考えたうえで授賞式に出席し、スピーチをしに行ったのだろうな、ということを強く感じた。

 最初のHAARETZ紙の記事には「Talkback」というコメント機能が設けられていて、私が始めて閲覧した時点で既に10件ほどのコメントが付加されていた。英語で書かれているから集中すれば読解できるだろうが、こちらでも毀誉褒貶あるみたいだな、というくらいしか理解していない。ただ、このスピーチ内容がより多くのひとに読まれるのであるならばよいな、とおもう。

 これだけ考えて行動したひとがいるかと思えば、イタリアに行っていた政治家と行政官僚、記者はなにをしていたのか。